新しく与えられたおもちゃ。しぶしぶ剥がしたボンネットのステッカーに垣間見える人柄【1】1972年式 日産 スカイライン HT 1500GL

純正ではプリンス系の4気筒SOHCのG15型だが、DOHCのFJ20型が収まる。ショートノーズ版の「GT-R仕様」だ

       
ハコスカの中でも今となってはレアな存在なのが、4気筒エンジンを搭載したボンネットが短いショートノーズモデル。ツラ構え、後ろ姿も6気筒モデルとなんら変わらないが、サイドビューからはホイールベースが短いのが分かる。「気楽に旧車を楽しみたいから、ちょうどえーわー」とオーナー。2L直列4気筒DOHCのFJ20型改を、気楽さゆえの大胆スワップ。これぞショートならではの「R仕様」だ。

【1972年式 日産 スカイライン HT 1500GL Vol.1】

 今回の撮影を前に、急きょ変更されたのが、ボンネットに貼られていた「E・YAZAWA」の巨大なステッカーをはがしたこと。

「こんな姿で、雑誌に載るわけにはいけんじゃろー」と、まわりの旧車仲間に強く説得され、しぶしぶはがしたそうだ。55歳にして、まだ青春ど真ん中のような奔放さ。希少な2ドアショートに、FJ20型を載せるという思い切りも、このオーナーならばと、うなづける。若いころからクルマといえばクラウンで、免許を取って以来、車歴はずーっとクラウン。それが、仲間の勧めでこのハコスカを手に入れてからは、まるで100年来の付き合いだったかのようにこのクルマ一筋に。

「根がまだ子供なもんで。新しく与えられたおもちゃに、すぐに夢中になりよりました。走らせるのも、イジるのも、パーツを集めることも、今はなにもかもが楽しくてしょーがねぇ」

>> 【画像30枚】純正の4連メーターを生かしつつ、タコメーターは2000GT用を取り付けたインパネなど。メーターのデザインは同じだから、違和感はまったくなし



>> フロントフェンダーが短いショートノーズのため、「SKYLINE」のエンブレムはリアフェンダーに取り付けられる。





1972年式 日産 スカイライン HT 1500GL (KC10)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フロントスポイラー、リアポイラー(純正オプション)、オーバーフェンダー、シビエ製ハロゲンヘッドライト、けん引フック、ナポレオン製ドアミラー
■エンジン:FJ20型改、加工カム、亀有製ハイコンプピストンKIT/強化タイミングチェーン/メタルヘッドガスケット
■吸排気系:OER製45X、ワンオフステンレスタコ足、ワンオフマフラー
■冷却系:オイルクーラー
■点火系:永井電子機器製ウルトラプラグコード
■駆動系:レース用フライホイール、71Bミッション
■ブレーキ:(F)MK63キャリパー
■サスペンション:(F)車高調 (R)カヤバ製ショック、ワンオフローダウンブロック(0.5インチ)
■タイヤ:(F)ヨコハマ DNA ECOS 195/55R15 (R)ヨコハマ DNA GP 225/50R15
■ホイール:RSワタナベ8スポーク
■インテリア:ダッツンコンペハンドル/バケットシート(運転席)、2000GT用タコメーター、電動パワステ、サイドブレーキ変更、クーラー


【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.021 2019年8月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 スカイライン HT 1500GL(全3記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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