「オールヒドンピラー」のHB! スペイン語で「天空」を意味するシエロ【2】1987年式 トヨタ スプリンター シエロ 1600 GT

GTの場合、大径のタコとスピードを配置した7連メーターが標準。オプションでパノラミックデジタルメーターも設定されていた

       
【 1987年式 トヨタ スプリンター シエロ 1600 GT Vol.2】

【1】から続く

 スペイン語で「天空」を意味するシエロは、先代80系の5ドアリフトバックとはまったく異なる、スペシャリティー性の高い新しいハッチバックとして登場。キャビン後部のピラーを隠した「オールヒドンピラー」を採用したディテールが特徴的で、それまでの5ドアハッチバックには見られなかったグラッシーなスタイリングを演出。横一文字にデザインされたコンビランプや三分割式の大型リアスポイラーがボディとの一体感を強調し、スペシャリティー感を際立たせている。

 また、ハッチバックならではの機能性の高さも見所。リアシートはリクライニング&可倒式で、リクライニングさせればゆったりとくつろぐことができ、手前に倒せば広大なスペースが生まれ、大きな荷物の積載も可能。さらに、開口部が大きいので利便性も高い。こうした部分は、ハッチバックならではの魅力だ。なお、フロントマスクはセダンとほぼ同一で、グリルで差別化。セダン系は横桟デザイン、シエロではメッシュとなっている。

 基本コンポーネントはセダンと同じため、サスペンションは前後ストラットの独立懸架式で、エンジンも1.6L直列4気筒DOHCの4A-G型をトップグレードに搭載。電子制御式サスペンションの「TEMS」もオプションで設定されていた。

 1989年5月には、セダンやトレノとともにマイナーチェンジを実施。バンパーが大型化され、逆スラント形状だったフロントマスクをスラント化。グリルがメッシュタイプから横桟デザインに変更された。加えて、エンジンは全車EFI仕様となった。

 従来車とはひと味もふた味も異なるコンセプトのもと登場したシエロだが、5ドアハッチバックボディは日本で受け入れられず、一世代で消滅してしまった。そして、先代AE80系リフトバックとともに、今では希少な1台となっている。


>> 【画像17枚】全体をフルトリム化するとともに、その表面をスムーズで一体感のあるものとし、クラスを超えた質感を実現したインテリアなど。基本的にはオリジナル状態を保っているが、ステアリングはナルディ・ラリーのディープコーンタイプを装着している




>> 天井に付く空気清浄機。購入時から装着されていたもので詳細は不明だが、どうやらトヨタ販売店オプションのようだ。


1987年式 トヨタ スプリンター シエロ 1600 GT(AE92)


●全長×全幅×全高(mm) 4215×1655×1360
●ホイールベース(mm)  2430
●トレッド前/後(mm) 1445/1425
●車両重量(kg)  1050
●エンジン型式  4A-GE型
●エンジン種類 直列4気筒DOHC
●総排気量(cc) 1587
●ボア×ストローク(mm) 81.0×77.0
●圧縮比 9.4:1
●最高出力(ps/rpm) 120/6600
●最大トルク(kg-m/rpm) 14.5/5200
●変速比 1速3.166/2速1.904/3速1.310
4速0.969/5速0.815/後退3.250
●最終減速比 4.312
●ステアリング ラック&ピニオン
●サスペンション ストラット(前後とも)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ 185/60R14(前後とも)
●発売当時価格 166.6万円



【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 トヨタ スプリンター シエロ 1600 GT(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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