510オーナー・ミーティング2017【1】新聞の紙面をブルーバードが飾った日。半世紀前の510デビューに思いをはせる|1971年式 日産 ブルーバード1600 SSSクーペ、1971年式 日産 ブルーバード1800 SSS

約15年前に同好会の形でスタートし、現在はクラブ510 として活動。会員数はC30 ローレルオーナーを含め22名。

       
【イベント振り返り 510オーナー・ミーティング 2017 Vol.1】

 遡ること5年前の2017年8月12日、駐車場にダットサン・ブルーバード510が集まってきた。グレードはさまざま。珍しい左ハンドルもある。その様子を見た人々は足を止め、室内をのぞきこむようにクルマを眺めている。誰もが「懐かしい」という言葉とともに笑顔を見せているのが印象的だ。その姿、多くの人の記憶の片隅に残っているシルエットなのかもしれない。

 初代の310ブルーバードから数えて3代目となる510ブルーバードは1967年に発売開始された。スーパーソニックラインというデザインを採用し、直線的なラインを強調。新しい時代の到来を感じさせる斬新なデザインであった。

 三角窓の廃止など、それまでの乗用車とは一線を画すクルマであることは誰もが気付く、エポックメイクなクルマであったことは確かだ。

 2代目410ブルーバードもレースなどで活躍したが、510では4輪独立懸架を日産が初めて採用するなど、車格の拡大とともにスポーティーな走りを実感できるモデルであった。

 そのスポーティーな走りを今なお楽しんでいるのが、駐車場に集まってきた面々。取材当日の8月12日、土曜日にも特別な思いがあるのだ。

「ちょうど50年前の今日、510ブルーバード発売の新聞広告が掲載されました。同じ土曜日でした。8月9日に発表、15日に発売というタイミングで、12日には各新聞の紙面をブルーバードが飾ったのです。そんな一般の人の目に触れてからちょうど50年。こうして集まれるのは非常にうれしいことです」

 と全日本ダットサン会の副会長でもある、クラブ510の代表は語ってくれた。

>>【画像49枚】当時、日産がブルーバードのために用意したパンプレットや整備マニュアルなど、たくさんの資料が出てきた。ここまで、力をいれて販売されたクルマは珍しいのではないかと言う参加者など



一度は手放したブルーバードを再び/1971年式 日産 ブルーバード1600 SSSクーペ

以前も1969年式のクーペに乗っていたオーナー。一度手放してしまい、もう一度、手に入れたいと探して見つけたのがこのワンオーナー車両だった。プライベーターとして走りを追求し、キャブはソレックスφ40mm、タコ足や強化ラジエーターなどを装着している。ノーマルのキャブだと調整しづらいので、細かく調整できるソレックスを選んだという。なんでも自分でやってしまうということで、エンジンの積み降ろしまで行っている。足回りはリアにリフレッシュ60のオリジナルサスを組み込み、走りに振ったクルマ造りを行っている。




プラモデルが本物のクルマになって/1971年式 日産 ブルーバード1800 SSS

小さい頃、ブルーバードのプラモデルばかり作っていたと言うオーナー。いとこがクーペに乗っていたこともあり、クルマの印象が強く残っていたという。友人から購入したクルマは基本ノーマルを維持。しかし、マフラーはフジツボに型取りで貸し出した経緯から、試作品が装着されている。購入したのが27年前だが、それから4万kmしか乗っていないという。一時乗らない期間があって、手放してしまおうと思った時、クルマに興味を示さなかった息子が「乗りたい」と言い始め、クルマを維持することにしたという。


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

510オーナー・ミーティング(全3記事)

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text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo : HIDENOBU TANAKA/田中秀宣

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