1JZ‐GTE型にスワップ! 約420マイル離れた街から自走でイベントに参加|1972年式 トヨタ セリカ Vol.2

1JZ型エンジンスワップに右ハン化! 内外装も美しくフィニッシュ。

       
JCCSの会場で出合った1台のセリカ。美しくリクロームされたトリムと漆黒のボディが、カリフォルニアの日差しを受けて光り輝いていた。リアフェンダーに飲み込まれたドラッグラジアルを見れば、ただ者ではないことはすぐに分かった。19年間をかけて注ぎ込まれた、オーナーの愛情をひも解いていこう。

【1972年式 トヨタ セリカ Vol.2】

【1】から続く

 ミラーさんが住むカーマイケルからJCCSの会場であるロングビーチまでの距離は、約420マイル(約675km)。日本でいえば東京〜青森間の距離に近いが、ミラーさんは自走でイベントに参加。ミラーさんが、走れるきれいなチューニングカー作りを実践している、何よりの証拠だろう。

 もともとホットロッドが好きなミラーさん。セリカを購入した理由も、カマロと似たショートデッキスタイルで、よりコンパクトなサイズにひかれたからだそうだ。

 エンジンは1JZ‐GTE型にスワップされ、1969年以降のシボレー各車に採用されたGM製TH350型3速オートトランスミッションとATIのバルブボディを使用。リアアクスルはトヨタのトラック用をナロー化し、友人であるクリス・アルストンさんがオリジナルで作り上げた4リンクバーシステムでマウントしている。



ごく自然にインストールされている1JZ-GTE型直列6気筒エンジン。Crowerのステージ2カムシャフトを備えてハイリフト化している。ボッシュのインジェクターを備え、AEMの30-6100ECUで制御。


>>【画像32枚】オーストラリア仕様の右ハンドル用ダッシュボード、メータークラスター、グローブボックスを移植。イチから作り直されているが、オリジナルのラインを崩さないように配慮されているセンターコンソールなど




HKSのカムギアを使用。




φ72mmのタービンで過給。カスタムのエキゾーストとインタークーラーのパイピングはφ3.5インチと大径。




KONIのストラットとQA1のスプリングを組み合わせるフロントサスペンション。Techno Toy Tuningの調整式キャンバープレートも装備する。
 




友人がオリジナルで考案した、4リンクバーで支持するリアサスペンションを採用。QA1の車高調も装備。


1972年式 トヨタ セリカ(RA21)
SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:ブラック2ステージカラー、リクロームテールライトベゼル、ガスドア、ヘッドライトバケット、フードベント、ドアハンドル、3Dプリンターブッシング、バッテリーキルスイッチ、BMW 3シリーズプロジェクターヘッドライト、HIDバルブ、各種LED化
■エンジン:1JZ-GTE型エンジン、Crower 268/276ステージ2カム、ARPヘッドスタッズ、72mmターボチャージャー、HKSアジャスタブルカムギア、
 3.5インチIN/OUTカスタムインタークーラー&パイピング、HKSブローオフバルブ×2、φ60mmウェイストゲート
■吸排気系:3.5インチMandrel-Bentエキゾースト、Flow masterマフラー、カスタムアルミインテークマニホールド、φ100mmスロットルボディ
■点火系:後期型トヨタスマートコイル
■燃料系:ボッシュ160lbインジェクター、Aeromotive 20ガロン燃料タンク、フューエルレギュレーター、A1000フューエルポンプ、
 フレックスフューエルアルコールセンサーE85
■制御:AEM 30-6100 ECU
■駆動系:TH350シボレートランスミッション、ATIフルリバースバルブボディ&トランスブレーキ、トヨタ8インチトラックリアエンド4.10ギアセット
■サスペンション:KONIフロントコイルオーバー、QA1 12インチ長 φ2.5インチスプリング140lbレート、Techno Toy Tuningフロントアジャスタブルキャンバープレート&ロワコントロールアームボックスキット、アジャスタブルレングスコントロールアームエンド、KE70カローララックアンドピニオン右ハンドルコンバート、T3アジャスタブルタイロッドキット、T3ロワコントロールステアリングアーム、T3 RCAマウント、Chris Alston 4リンクリアサスペンション、カスタムマウント、QA1アジャスタブルコイルオーバーショック、12インチ長φ2.5インチスプリング120lb、Chris Alston リアアンチスウェイバー&ダイアゴナルトラックバー
■ブレーキ:アルミ製4ピストンフロントキャリパー、1ピストンリアキャリパー、11.5インチ22mm厚フロント・リアブレーキローター、カスタムマウントブラケット、後期型トヨタショートハウジング15/16thマスターシリンダー、カスタムマシンドブースターデリートブラケット、カスタムフルードリザーバー、Mk3-4スープラホイールディスクブレーキプロポーショニングバルブ、フロントラインロックブレーキ、スチールメッシュブレーキライン、マスターシリンダーアルミヒートシールド
■インテリア:KIRKEYアルミフレームシート&パッドカバー、カスタムセンターコンソール、ブラックカーペットパッド、豪州仕様右ハンドルダッシュ&メータークラスター&グローブボックス、Precision Performanceシフター、5点式シートベルト、MOMOレースステアリングホイール、カスタム4ボタンパネル、クロスヘッダー、KENWOODステレオ&4ウェイスピーカー、2ダッシュカメラ
■タイヤ:BFグッドリッチ (F)コンプTAタイヤ195/50-15 (R)ドラッグラジアル 325/50-15
■ホイール:Center Line Wheels 15×5.5(F) 15×12.0(R)

【3】に続く

初出:ノスタルジック スピード 2018年2月号 vol.015
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 トヨタ セリカ(全3記事)

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【1】から続く

photo : AKIO HIRANO/平野 陽 text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄

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