美しい状態を保ち、故人のひととなりを色濃く残すLB|1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT Vol.1

フロントバンパーの上のアルミ部分は、故人が自分の手で取り付けたもの。ヘッドライトリムの下から滴り落ちる水滴によりバンパー上部が錆びることが多いので、それを防ぐ目的。

       
【1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT Vol.1】

 クルマを見るとオーナーの性格や人となりがよく分かる。

 隙間にあるホコリまでキレイに取り除かれたパーツ類。ハーネスをまとめ、見た目をシンプルにしたエンジンルーム。オリジナルにとらわれなかったことが明らかなRSワタナベホイールやトムスのホーンボタンを取り付けたナルディのステアリング。

 見れば見るほど、このセリカLBのオーナーだった方がどのような性格で、どんなセリカを目指していたかが分かってくる。

 
【画像19枚】LBならではの特徴的なピラーにあるルーフサイドベンチレーション。美しい状態を保つエンジンルームなど

 2014年3月13日に亡くなったオーナーは、1952年に創業した久保田モータースの2代目として会社を大きくしてきた。そんな彼の趣味はクルマ。

 しかし仕事が忙しくなかなか自分の時間を持つことができなかったため、自分のクルマは持っていたものの、旧車趣味を存分に楽しむほどではなかった。そのころは、本誌をはじめとするクルマ雑誌を読みあさる日々だったという。3人の子供もそれぞれ独立したころ、佐世保市に住む知り合いから旧車を譲られることになった。

 それがセリカLB。今回の取材車両だ。



LB専用の形状となった大型のエアスクープ。開口部に張られたネットは金属製だ。






アメリカのGTカーを意識したボリュームあるフェンダーにダックテール。 マフラーカッターはオーナーだった故人が取り付けたもの。


1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT(TA27)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4215㎜
全幅 1620㎜
全高 1280㎜
室内長 1600㎜
室内幅 1330㎜
室内高 1055㎜
ホイールベース 2425㎜
最低地上高 165㎜
車両重量 995㎏
乗車定員 4名
登坂能力 tanθ0.60
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 2T-GR型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1588㏄
ボア×ストローク 85.0×70.0㎜
圧縮比 8.8:1
最高出力 110ps/6000rpm
最大トルク 14.0㎏-m/4800rpm
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861後退 3.484
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 50ℓ
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 マクファーソンストラット型コイルスプリング/4リンク・ラテラルロッド付コイルスプリング
ブレーキ前/後 ブースター付ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 185/70HR13
発売当時価格 82.5万円

【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 08月 Vol.170 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 トヨタ セリカ リフトバック1600 GT(全3記事)

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photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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