米国内で大事に乗り続けられた日本車を逆輸入|1984年式 トヨタ セリカ スープラ Pタイプ Vol.1

バンパーが大きく張り出しているようにみえるが実際には国産のセリカXXと同じもの。

       
1980年代、国内から米国市場への輸出車両であったスープラ。いわゆるハチマル車、その2014年取材当時の逆輸入の事情を振り返る。

【1984年式 トヨタ セリカ スープラ Pタイプ Vol.1】

 80年代の自動車産業は、海外でクルマが売れ過ぎて頭を悩ませた時代。当時日本のクルマは、米国内の自動車産業界に大ダメージを与えていたのだ。1985年には対米黒字は500億ドルを超え、円相場を引き下げるプラザ合意や日米構造協議などが行われたが、日本車は売れ続け、深刻な貿易摩擦を引き起こした。政治的に圧力をかけても売れ続けたのは、石油危機に対応した日本車の性能によるものが大きいが、長年米国で販売し、米国内に日本車ファンを築けたこともあげられる。現在は、米国内の日本車人気がさらに高まっており、米国各地で数々の日本旧車のイベントが開催されている。

 そんな米国内で大事に乗り続けられた日本車には程度の良いものが多い。雨が少なく、乾燥した土地が多いため、クルマには適した環境であることも見逃せない。こうした米国の日本車逆輸入モデルを数多く取り扱うアスリート・1の原田裕二社長に、逆輸入モデルの現状について話を聞いた。

「確かに本国で探せば程度の良い車両に巡り合うこともあります。しかし、車両本体の値上がりや輸送費、ガス検などのことを考えると日本円にして300万オーバー(2014年取材当時)は覚悟しなければならないのがセリカスープラです。このクルマのようにすでに輸入され、実際にクルマの確認が容易なものは少ないでしょう」


【画像11枚】純正度が高く、大きな変更点としては70スープラの純正オーディオが搭載されていることくらいで、左ハンドルという以外に大きな違いの感じられないコクピットなど



車名のPタイプとはオーバーフェンダー付きを示しており、張り出したフェンダーが他のセリカスープラやセリカXXと比べて大きくイメージが変わっている。





サイドミラーは固定式で、折り畳むことができない。





巨大なリアウインドースポイラーはセリカスープラの人気パーツの1つ。このスポイラーは3点で支えられていて、ガラスを貫通する形で3本目の支柱が伸びているのが本モノの証し。


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2014年 08月号 vol.26(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 トヨタ セリカ スープラ Pタイプ(全2記事)

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text : 80 HERO/編集部 photo : TAKAHARA YOSHITAKA/高原 義卓

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