L型からクロスフローへ、Z型! 日本最初の4気筒ターボ、ターボSSSシリーズ|1983年式 日産 ブルーバード セダン 1800ターボ SSS・S

黒塗装の専用シリンダーヘッドカバーにはTURBOの刻印が誇らしげに入る。

       
【1983年式 日産 ブルーバード セダン 1800ターボ SSS・S Vol.2】

【1】から続く

 ボディはファミリー向けの4ドアセダンからスポーティーな2ドアハードトップ、ワゴン、タクシー仕様などの幅広いバリエーション。後にクラス初となる4ドアピラーレスハードトップ車もラインナップに加わる。

 搭載されたエンジンは日産が新開発したZ型。Z16、Z18をメインに、後にZ20型が追加されている。Z型は、L型がターンフローだったのに対し、シリンダーブロックはほぼそのまま、シリンダーヘッドを新設計のクロスフローとし、半球形の燃焼室を採用。1シリンダーに対し2本の点火プラグが装備された。スペックだけを見ればまるでレーシングエンジンのようだが、実際には排出ガス規制対策のためのもの。名機と呼ばれたL型シリーズに対し、Z型はマイルドな味付けであった。

 そんな中で1980年3月に追加されたのがターボSSSシリーズだ。搭載エンジンはZ18E・T型。Eは電子制御式インジェクション、Tはターボを表す。日本最初の市販ターボは430セドリックターボブロアムのL20E・T型だったが、4気筒ではこの910ブルーバードが初めてとなる。

>>【画像21枚】NAのZ18S(キャブレター)型が105ps、Z18E(EGI)が115psに対し、135psを発揮するZ18E・T型ターボエンジンなど




SSS・Sの専用色となるスポーティーレッドとブラックの2トーン。ボディサイドにストライプが入る。直線的に見えるボディだが、この角度から見ると前後の絞り込みなど微妙なライン構成が見て取れる。





エンジンを正面から見て右側、エキゾーストの下にターボハウジングがある。製造から約35年が経過するが、ターボのトラブルはないという。



1983年式 日産 ブルーバード セダン 1800ターボ SSS・S(P910)
Specification 諸元
全長 4510mm
全幅 1655mm
全高 1385mm
室内長 1810mm
室内幅 1385mm
室内高 1130mm
ホイールベース 2525mm
最低地上高 165mm
車両重量 1115kg
乗車定員 5名
登坂能力 tanθ0.43
最小回転半径 5.0m
エンジン型式 Z18E・T型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCターボ
総排気量 1770cc
ボア×ストローク 85.0×78.0mm
圧縮比 8.3:1
最高出力 135ps / 6000rpm
最大トルク 20.0kg-m / 3600rpm
変速比1速 3.592 / 2速 2.246 / 3速 1.415 / 4速 1.000 / 5速 0.813 / 後退 3.657
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 62L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前/後独立懸架ストラット / 独立懸架セミトレーリング
ブレーキ 前/後ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 前後とも185 / 70HR14
発売当時価格 165.8万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 日産 ブルーバード セダン 1800ターボ SSS・S(全4記事)

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【1】から続く

photo:TAKASHI AKAMATSU/赤松 孝

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