50台作られた「カリフォルニア500」ペースカーのレプリカの1台も参加! ダットサン Zオーナーズクラブ50周年!歴史的な「Z Car」が集合!

歴史的な「Z Car」が集合した北部カリフォルニアZオーナーズクラブのオーナーズミーティング

       
日本において「フェアレディZ」として知られるスポーツカーは北米市場では「ダットサン Z(後にニッサン Z)」として販売され、「Z-Car」などの通称で親しまれている。

アメリカの老舗ダットサンクラブの一つ、北部カリフォルニアZオーナーズクラブ「ZONC」(Z Owners of Northern California、ゾンク)によるオーナーズミーティングが開催された。2022年は同クラブが創立から50年にあたり、2021年にも開催されたミーティングと同じ会場で、創立50周年の喜びを分かち合った。
当日の朝は、6月初旬のカリフォルニアとは信じられないような小雨模様。ダンビル市にあるブラックホーク博物館前にクルマと人が集まるにつれて空も明るくなり、展示車両を囲んでのクルマ談議が始まった。
少数限定の車両展示は、メインのクラシックレース車両4台に対面する形でネオクラシック車両が並び、その中間にはなんと、新型RZ34も鎮座していた。
まさに全ジェネレーションのZが一堂に会した形だ。


最新のZとともに、歴史的なクルマも登場した。鮮やかな水色に塗られた240Zは「オフィシャル・ペースカー」の文字が書かれていた。
1972年、当時カリフォルニアにあったオンタリオ・モータースピードウェイで開催された「カリフォルニア500」にダットサン240Zがペースカーとして選ばれたことを記念して、北米日産は50台のレプリカ(トリビュート、デュプリケートなどとも呼ばれる)を製作した。
残念なことにその50台の行方は記録に残っていないのだが、偶然発見されることがある。この個体はまさにそのうちの1台だった。

では、たった1台の本物のペースカーはどこへ行ったか。それが隣に並んだ黒いレースカーだった。カリフォルニア500の終了後、レース車両に改造され当時の姿を残さないが、後年IMSAに参戦するなどして活躍した。

歴史の遊歩道のような展示会場とは対照的に、博物館の裏側に位置する駐車場には、所狭しと日産車ファンが集まっていた。Zや510はもちろん、ネオクラシック、はたまた最新GT-Rが14台と、総数100台に及ぶ勢い。誰もがダットサンや日産車へのパッションを熱く語り、そしてカーコミュニティーの楽しさを訴える。その熱意は次の世代へと伝わっていく。この勢いは止まりそうにない。

>>【画像12枚】ペースカーだった240Zのレース車両について、熱心な質問に対応するロブ・フラーさんなど。フラーさんは有名ダットサン専門店「Z-Car Garage」のオーナー


>>新型Zも展示されていた。それも、珍しいバーガンディ。深い色合いの赤だ。保管場所から自走で会場まで運んだそうである。北米日産本社のあるテネシー州の製造者ナンバープレートが付いていた。



>>雨がぱらつくたびに拭き取る作業が繰り返された。発見後整備の済んだ240Zペースカーのレプリカを展示したのは、ZONCプレジデントのリンダ・ウイリアムスさん。


>>ペースカーだった240Zのレース車両について、熱心な質問に対応するロブ・フラーさん(右)。フラーさんは有名ダットサン専門店「Z-Car Garage」のオーナーだ。


>>車両左後ろのフェンダーに残るチェッカーフラッグ用の穴が、本物のペースカーだったことを伝えている。



>>昨年には参加車両のなかったZ31系が今年は1台展示されていた。日本国内モデルと異なる特徴的なヘッドライトは、当時のアメリカの安全基準によるもの。異形ヘッドランプが非合法だった時代だ。

photo & text:Hisashi Masui/増井久志

RECOMMENDED

RELATED

RANKING