【元ネタはトヨタの絶版SUV!!】レイトモデルSUV・ヴァンガードと、ウッディカスタムが現代で融合!

トヨタの絶版SUV・ヴァンガードをウッディなシティクルーザーに

       
シティクルーザーとしての
“ウッディ” SUVが登場!

【画像8枚】現代の右にならえな風潮に異を唱える作風。カジュアルなれど奥深い、SUVカスタムの一部始終をご覧あれ!

往年のウッディブームを知る世代は「なぜ今さら!?」のようで、想定外のベース選びが功を奏し、むしろ新鮮さを覚えちゃうのがこの1台。

その元ネタは、販売面でパッとしなかったトヨタの絶版SUVであるヴァンガード。
’09年の新車購入から、フツーに乗り続けてきたオーナーが、東京・武蔵野の「ソウル・アート&ロッド」に愛車を託し、今後も楽しめるアシとしてのイメチェンを図ってみたのがこのウッディSUVだ。

そのオファーでの重要項目が、都心近郊住まいのライフスタイルにマッチした”東京っぽいオトナな雰囲気“。
となると、万人的にはデカリム履きでラグジー系といったカンジだが、そんなのは逆に田舎臭いだけに絶対NG(笑)。
しかも、カスタムカーとは無縁のごく普通のクルマ好きオーナーの愛車ゆえ、日常のアシに適したアプローチとして浮上したのが、あえてのウッディ仕様ってワケだ。

手数自体は、’90年代後半のハヤリのトリビュートも同然だが、それをまるで感じさせないアメカジ的なオシャレインパクトとカブラない個性にギャフン♪

筆塗りの木目調ペイントやビンテージ風キャリア移植を筆頭とする手数の1つ1つも実に手が込んでおり、インチダウンの鉄リムでホワイトレタータイヤをムッチリ履きした足元も、ノーマル車高での自然体な疑似クラシックムードに効力を発揮。

一見、ヒネリ技ゼロを装いつつ、目線の広いカスタムフリークが思わずニヤリの確信犯メイクが実は満載なのだ。

そして、ワイルドマン石井氏が手がけた“ウッディプライド”のショーネームのレタリングからは、WOODYカスタムの不変の美学と、そしてソレを築いたムーンアイズに対するリスペクトがつい垣間みれちゃうのも、作り手のただ者じゃない力量を物語っているのでありマス。



>>足元は標準の17インチアルミから、USトヨタ純正の16インチ鉄チンへインチダウン。LT225/75のブロックタイヤをムッチリ履くことで、疑似ヴィンテージな雰囲気を演出している。BFG製のホワイトレター版は、今や国内製廃のため、アメリカ直輸入で入手♪ やみくもなインチアップや高価なリムを主張するカスタムとはアプローチが完全に別ベクトルだ。


>>新車時オプションのモデリスタ製グリルは、本来のメッキからマットブラック塗装に改め、バンパーも黒樹脂の素地肌を塗装で再現したUSDM風に。グリルガード&アンダーガードも他車流用の3コイチと、アルミ板から起こした既製品ばりのワンオフの出来映えは圧巻!


>>ボンネットのピンストおよびレタリングは、ムーンアイズのワイルドマン石井氏作♪


>>レトロデザインのキャリアはスウェーデンのエアストリーム製。本来、シトロエン2CVや空冷ビートルなどの"丸いルーフ面"用のためのキャリアゆえ、形状がまったく合わず、本体素材もアルミゆえ、加工がムリなため、鉄製のアタッチメントを製作して純正ルーフに見事ボルトオンしている。ヴァンガードはリアゲートが横開きのため、特徴的なデザインのキャリア後端が干渉していても問題ナシだ。


>>無粋な純正オーバーフェンダーを取り払い、設定のない“ナローモデル"に。そこへ愛知ホットスタッフの不変の銘品「ウッドスタッフ」を外枠に用いたフェイクウッドのパネルは、エアブラシではなく、筆塗りと削り出しの繰り返しで木目に表情を持たせたペイントワークが特筆すべきところだ。


>>“ウッディープライド”のショーネームにちなんで描かれたマスコットは、トイ・ストーリーの主人公とオーナーの顔を合体した版権スレスレのジョーク(笑)。


>>リアビューはもちろん、主張しすぎない“あえてのウッディ仕様”が、無機質な都会の街を走るシティクルーザーとしての輝きを放つ。


>>SUVブームで国産のランクル60や80などのヴィンテージ車が軒並み高騰する中、レイトモデルの顔面を整形して古くさくイジってみたり、王道の大径ウィールをハメこんでみたりが、SUVカスタムの王道スタイル。しかし、レイトモデルSUVを題材に、まったく異なるアプローチを試みたのが今回の不人気車ヴァンガードによる"Woody Pride"となる。ステレオタイプの流行に一石を投じる、不変のアメカジスタイルを表するあたりがとってもCOOL!!


『カスタムCAR』2016年3月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:ヴァンガード(4WD)/2008年型
SOURCE:SOUL ART&ROD、FREE LANCE、HOT STUFF、MOONEYES

PHOTO/佐藤亮太 TEXT/コンヒデキ

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