【昭和車に現代エンジンを移植!】カローラバンをハイパワー&高性能化するカラクリとは?

'87年カロバンに現代エンジンを移植。果たしてドナーは何のか??

       
スイフトエンジン移植の
かっとびカロバン!!

【画像9枚】ボンネット内のM16Aエンジンなど、やれボディに隠すスリーパーっぷりはコチラから☆

このクリーム色のカロバンの物語は、オーナーがダディモーターワークスに車両を持ち込んだことからスタート。

当初はディーゼルエンジンだったカロバンに、3S-GE、もしくは4AGをスワップしたいとのオーダーだった。
愛知県でエンジンスワップやアップデートカスタムを得意とするダディモーターワークスは、ちょうど時を同じくして、それらエンジンに変わる新しいドナーを探していた。
特に5バルブ4AGは、走行距離の少ないエンジンが枯渇していることもあり、価格も高騰している背景があるためだ。

こうしてたどり着いた結論が、スイフトスポーツに搭載されているNA1.6ℓのM16A型の採用だった。

「M16Aは、そもそもFF用なので横置きなんですが、縦置きした際にジムニーのトランスミッションがピッタリなんです。どちらも簡単に入手することができ、パーツも豊富にそろうので、ドナーとしては最適なんです」とはダディモーターワークス尾頭代表。

さらに、ノーマルで136馬力程度を発生するユニットは、4連スロットル&フルコン制御でさらに武装!
推定140馬力オーバーとなる心臓は、カロバンを快適に走らせるには十分なパワートレインだ。

加えてこのクルマは、AE86用のリアアクスルを使ってリアをディスク化。
また、フロントはメンバーごとAE86用に交換。
電動パワステ化したステアリングは、ラック&ピニオン化も同時に果たしている。

こうしてこのカロバンは、オリジナルのディーゼルエンジンの3倍近いパワーと、エアコンなどの快適装備を手に入れた。
昭和の匂いが残るクリーム色のボディはそのままに、快適にクルーズ可能なスリーパーとなったのだ。



>>シートもスイフトスポーツから流用。シートレールを加工することで、極力低くマウントすることに腐心した。


>>メーターは黒いパネルを張り、バイク用のマルチメーターとPLXのA/F計をマウントしている。


>>ステアリングは電動モーターを流用してパワステ化。実は元々エアコンレス車だが、エアコンも移植したため、快適装備でロングクルーズにも耐えられる仕様へとアップデートしている。


>>ホイールはSSRメッシュをチョイスし、フロント14×7J、リア14×7.5Jをセット。合わせたタイヤはフロントが175/60、リア185/55。車高はフロントをAE86用の車高調で落とし、リアはリーフスプリングなので、3インチブロックでロワードした。



>>本当にボディがヤレてるだけなら、ただのボロ。このカロバンはボディや内装こそ昭和の商用車だが、ボディ下面やエンジンルームはショーカーレベルの美しさを誇る。そんなギャップこそが、スリーパーの真骨頂なのだ!


>>エンジンはスイフトスポーツに搭載されているスズキの1.6ℓ M16A型をチョイス。4AGに代わる新しいエンジンという条件でたどり着いたユニットとなる。


>>4連スロットルはAE111用をワンオフで製作したアダプターを介して接続している。また、各気筒から負圧を集めるタンクとアイドルコントロール用タンクを設置する。


>>さらに、日産用を流用した容量の大きなマスターバックを装着してストッピングパワーも強化。パワーに見合ったカスタムも敢行済みだ。


>>ボンネット内には、スズキのスイフトスポーツに搭載するM16Aがズドン! 水冷直列4気筒DOHC16バルブエンジンが、昭和の商用車に力強い息吹を吹き込む。


『カスタムCAR』2019年5月号掲載
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
BASE CAR:カローラバン(CE71V)/1987年型
SOURCE:ダディモーターワークス

PHOTO&TEXT/勝村大輔

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