【ジムニー狂想曲①】現役人気の2代目JA系ジムニーを弱冠20歳が大改造!渾身のビックフットジムニー!

Base Car:1990年型 ジムニー・フルメタルドア(JA11)

       
2代目JAジムニーのアゲ系カスタムは実に多岐にわたるが、ひと目でアメリカンを感じる王道スタイルといえば、ズバリ“ハイリフト”。日本でもガツンと車高を上げたJA系ジムニーのアゲモノは古くから数々存在したが、そんな往年のUS西海岸スタイルを現代のクオリティでトリビュートしたのが、自動車系専門学校に通う弱冠ハタチのオーナーだ。

 2000年生まれの彼にとってJAは10コも年上のオールドカーだが、生まれながらにもっとも慣れ親しんできたクルマこそが、何を隠そうこのJA系ジムニー。実は彼の父親は、カスタムCARに登場歴もある、宮城・仙台のオフロードスペシャリスト「4×4プレゼンツ」の代表。で、ショップを立ち上げた20年前に生まれたのが、このジムニーのオーナーである。ジムニーの助手席を揺りかご代わりに育ち、物心ついたころから親子でオフロードに繰り出したり、家業のメカニックのお手伝いをして育った純・培養の2世フリーク。そんじょそこらのハタチとは違う、スキルと知識を備えたサラブレッドだったりするのだ。

 そんな若きJr.が免許取得とともに父親から譲り受けた初のマイカーが実はコレで、山遊びで使い込まれたボロ個体を自力で大リメイクしたというワケ。いわば、自動車整備士の学校に通うカスタム好きな若者にとっては、プライベートの実習教材のようなもの。カスタム費用をバイトで捻出し、寝る間も惜しんでDIYビルドに打ち込んだ情熱とスピリッツはアッパレなのである。

 そしてなにより感心するのは、ベテランビルダーである父の厳しい指導と監修のもと、オフロードカスタム屋のセガレが作ったクルマが、新生デモカーとして胸を張れるだけのルックスとパフォーマンスを兼ね備えているという点なのだ。

 USサムライ仕様にコンバートした真紅のオバフェンボディに、37インチのM/Tタイヤを豪快に履きこなしたデカ足ハイリフトカスタムは、足回りで13インチ+ボディリフトで2インチの計15インチUP。さらにタイヤの外径アップも含めると、実にノーマル比17インチものリフトアップというから驚きだ。

 だが、4×4カスタムビルダーの卵として見た目以上にコダワったのが、超絶ハイリフトながらも安心して街乗りできる、サスペンションとドライブトレインの揺るぎない完成度。大幅なリフトアップで生じるプロペラシャフトやユニバーサルジョイントなどへの負荷を可能な限り軽減したうえ、キャスター補正による直進性向上やデフ振れ防止策なども徹底。“走る、曲がる、止まる”の基本性能への妥協なき煮詰めの甲斐もあり、片手ハンドルでも楽チンに運転できる、オンロードでの優れたスタビリティとオフロードでの走破性を高次元で両立しているのがモディファイの核心だ。

 エンジンもストックの660ccから1000ccのターボエンジン換装で、ヘビーデューティなドライブトレインに対応させるなど、手数ハンパなしのフルカスタムが施されているのも見逃せない。

 そんなアゲの置き物ショーカーと一線を画す“乗って楽しい超絶リフト”としての実力は、通学用を兼ねたスニーカー感覚の足グルマとして普段使いするオーナー自身のジムニーライフが立証する。

 平成初頭のハイリフトブームを謳歌した、若きころの父親と同じ道程を歩みつつ、将来はいずれ家業を継いで親子2世代のビルダーライフを目標とする、若きアゲジムニー乗りのJr.。生涯初のフルカスタムで磨き上げたスキルは、次世代ビルダーとしての今後の飛躍を大いに期待させてくれマス!!




【画像17枚】個性があふれるカスタムポイントは足回り。15インチもアップしたカスタムとは?全貌はコチラ!



>>フロントフェイスはJA51用グリルやバンパーのほか、マーカーレンズをUS純正品にチェンジして、北米版スズキ・侍仕様にUSDM化。ヘッドライトはFA度のLEDタイプをチョイスしている。



>>以前から興味のあったカスタムオーディオにもチャレンジ!キャビン後部のラゲッジにはキッカー12インチ×2のウーファーBOXとエンクロージャーを製作。


初出:カスタムCAR 2021年4月号 Vol.510

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

Base Car:1990年型 ジムニー・フルメタルドア(JA11)
協力:4×4 PRESENTS

PHOTO / 南井浩孝 TEXT / コンヒデキ

RECOMMENDED

RELATED