美弥丸 ビッグパーツと箱3面画を武器に豪壮無比な満艦飾アートを展開する日野クルージングレンジャー

官能的なリア観音扉のペイントもさることながら、「複雑すぎて図面にできなかった」という筒出し仕様のリア下周りも特筆ポイントだ。

       



塗装業を営むオーナーが、平ボディから箱に荷台を載せ換えた愛車のアート・アップをスタートさせたのは、今から約5年前。以来、コツコツと装いを進化させてきた。
地元の実力ファクトリーのプラティアとの二人三脚で構築したスタイルは、スケール感と個性を重視したモダン志向。

注目すべきは、前方に大胆な突き出しを誇るラッセルもどしバンパーをはじめ、電飾ボックス化を図った極太のミラーステー、天板に多数の菱抜きデザインをあしらった平型バイザー、蛍光灯を忍ばせた巨大バスロケットなどの大型パーツ群で、その圧倒的な量感とデザイン性により周囲に強烈な存在感をアピールする。

ルーフ上に搭載した7段ハチ巻きシートキャリア(最高到達点は3m85cm)にいたっては、このクルマのランドマークパーツとして、堂々たる風格を誇示。複雑なカット面をもつリアバンパーも、観る者をうならせる逸品だ。

また、超有名アミューズメントパークのアトラクションに負けない派手さを目指したというイルミネーションワークもみどころで、約1000個のブルーLEDと100本近い蛍光灯を駆使してのナイトシーンは、文句なしの美しさ!

赤紫基調で統一したアンドンの効果と相まって、ギャラリーを光の夢物語へといざなうことに成功している。 なお、パーツと同様にプラティアが手腕をふるった箱3面ペイントは、箱2面に“鳳凰”と“龍”を描くほか、リア観音扉には“入れ墨を入れた女性”を色ツヤたっぷりにペイント。パーツ、光モノ、ペイントのいずれをもハイレベルに仕上げたこのクルマは、アートトラックの歴史に名を残す傑作といえる。

【写真7点】モダンかつスタイリッシュな造作はコチラから。

カミオン2008年2月号トップアートをもとに再構成

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