先進のエアロフォルム【2】コンセプトカー「ACX-Ⅱ」が原型。サイブリッドなどの最先端メカニズムも|1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX|我が青春のリトラクタブル

2.7VXと1.8VRターボには、ヘッドライトウオッシャーも標準装備される

       
空力性能を徹底的に追及した、先進のエアロフォルム

【 1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX Vol.2】

【1】から続く

 このように、すべてにおいて斬新だったアルシオーネは、1.8LターボFFのVSターボと、同4WDのVRターボという2種のラインナップでスタート。そして、1987年のマイナーチェンジ時に、新グレード「2.7VX」を追加した。この2.7VXは、1985年に開催された第26回東京モーターショーで参考出品されたコンセプトカー「ACX-Ⅱ」が原型。エンジンは、優れた静粛性や低振動を実現し、豊かなトルクを持つ水平対向6気筒2.7L SOHCの、ER27型を搭載。4WDシステムも進化し、前輪の駆動力配分を自動的に変化させる電子制御アクティブトルクスプリット4WD「ACT-4」が採用された。このほか、走行状況に応じてハンドルの重さを制御する世界初の電子制御モータードライブ式パワーステアリング「CYBRID(サイブリッド)」や、日本初の「4WDとABSの組み合わせ」など、数々の最先端メカニズムも投入された。



 こうした進化に対し、1.8L車から内外装の変更点はわずか。「ACX-Ⅱ」に採用されたブリスターフェンダーは見送られたが、大型バンパーや14インチアルミホイールを採用し、外板色にも専用カラーを設定。内装は専用シート地や同じ生地を貼ったドアトリムを装備して高級感をあげるなど、差別化が図られた。

>>【画像19枚】右側にはライトやクルーズコントロール、左側にはワイパーやエアコンのスイッチが配置されているコントロールウイングなど



>> スバルの飛行機作り思想に多くの示唆を受けたというインテリア。なかでも、左右非対称のL字スポークステアリングが目を引く。




>> 1.8VRターボにはデジタルメーターが設定されていたが、2.7VXはシンプルなアナログのみ。





>> シフトノブはガングリップタイプ。その後方には、エアコンの風力調整および温度調整スイッチが設置される。





>> シートはスポーティーな形状のバケットタイプで、2.7VXにはディンプルモケットの高級専用シート地を採用。ちなみに、1987年のマイナーチェンジで全車ヘッドレストの形状が変更された。



1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX(AX9)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4510×1690×1335
ホイールベース(mm)  2465
トレッド前/後(mm) 1435 / 1440
車両重量(kg)  1300
エンジン型式  ER27型
エンジン種類 水平対向6気筒SOHC
総排気量(cc) 2672
ボア×ストローク(mm) 92.0×67.0
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps / rpm) 150 / 5200
最大トルク(kg-m / rpm) 21.5 / 4000
変速比 1速 2.785 / 2速 1.545 / 3速 1.000 / 4速 0.694 / 後退 2.272
最終減速比 3.700
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 205 / 60R14(前後とも)
発売当時価格 292.9万

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 スバル アルシオーネ 2.7 VX(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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