ハチマル家族|ミゼットⅡにWRX、カリブやドミンゴ。自宅に並ぶ父親のクルマ。幼少期から英才教育を受けたエンスージアストな息子|1989年式 シトロエン BX ブレーク 19TRi & スバル レオーネ クーペ Vol.1

マルチェロ・ガンディーニによる直線基調のデザインのBXは1982年のパリサロンでデビュー。ブレークと呼ばれるワゴンは1984年に追加。この個体は1989年式の19TRi。「ガンディーニさんのデザインが気に入っています」と父。

       
旧車をこよなく愛する親。そんな親から愛情と嗜好を受け継いで育った子ども。
当たり前のように身近にクルマがあって、クルマと家族の思い出を積み重ねていく。
ハチマル車に囲まれたクルマ好きにとって、うらやましい幸せな家族のカタチがある。

【1989年式 シトロエン BX ブレーク 19TRi & スバル レオーネ クーペ Vol.1】

 茨城県にちょっと変わったクルマ好きの親子がいる。そんな情報を聞きつけ、早速現地に向かった。そこで会った親子はウワサに違わぬエンスージアスト。

 父は根っからのクルマ好き。これまで日産チェリー、トヨタA60カリーナ、スズキジムニーを2台、三菱デリカスターワゴン、トヨタランドクルーザーを4台、日産R32スカイライン、スバルサンバートラック、トヨタMS51クラウン、ユーノスロードスターなど、ここでは書ききれないほどのクルマに乗ってきた。しかも、バラエティに富んだラインナップというのが面白い。そして、現在も稼動するダイハツミゼットⅡとスバルインプレッサWRXのほか、休眠中のトヨタスプリンターカリブやスバルドミンゴなど、マニアックなクルマが自宅の駐車場にズラリと並んでいる。

たしかに小さなトラブルや故障は国産車よりも多いですが

 そして、今回乗ってきていただいたのが、エンスーの代名詞でもあるシトロエン。このBXブレークは父が「一度はオーナーになってみたかった」と長年思い続けてきた一台。念願がかなったのは4年前で、知人からの話にふたつ返事で購入を決意したそうだ。「憧れのハイドロニューマティックの乗り心地を体感できて感激です」と父。ただ、シトロエンというと故障が多そうなイメージだが……。「乗っていて『壊れないかな』と不安があるくらいで、大きなトラブルはないですよ。たしかに小さなトラブルや故障は国産車よりも多いですが、それを大変かと思うかは人それぞれなので……。それに本国からなら部品の入手が可能なので、長く乗れると思います」とのこと。エンスーらしいコメントだ。

>>【画像20枚】父と父のBX、息子とそのレオーネ クーペ。BXは「いつか息子にバトンタッチしたい」と密かに考えているとか。一方の息子さんは、20代前半という若さで見た目は今どきのイケメン青年だが、パソコンや携帯電話にはまったく興味がなく、クルマ一色の生活を送っているという



>> 後期モデルはシトロエンの代名詞でもあるボビンメーターやメータークラスターに集約されたスイッチがなくなり、アナログメーターやレバー式ウインカーなどオーソドックスなコクピットとなった。





>> エンジンは1.9L直列4気筒SOHCのキャブで、最高出力は100ps。「魔法の絨毯」と評されるハイドロニューマティックは異次元の乗り心地。その構造の解説は割愛するが、簡単に言えば油圧と窒素ガスを使ったサスペンションで、その要となるのがストラット頂部に取り付けられるスフィア。写真でも確認できる球体のようなものがソレだ。この中に高圧の窒素ガスが封入されている。





>> ホイールハウスなどの余計な出っぱりをなくし、見事なまでにフラットかつスクエアなスペースを作り出しているラゲッジ。


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1989年式 シトロエン BX ブレーク 19TRi & スバル レオーネ クーペ(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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