エンジンは7基目、タコ足は4本目。トラブルにも飽くことなく|1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT  Vol.2

ヘッドカバーは鏡面仕上げで、プラグコードも永井電子機器の特注品。流れるように見える長さにしたのもこだわり。ラジエーターなどの真鍮部品は塗装を剥離して磨き上げる。そうすると金メッキ処理したかのような仕上がりになるそうだ。

       
【1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT  Vol.2】

【1】から続く

 所有歴は25年、走行距離は40万km以上というケンメリ。

「はじめはキャブ交換をしたのですが、セッティングのことなんて分からないので、エンジンは吹けなくなるは、燃費が落ちるはで散々でしたね。そうするうちにL20型改2.4L仕様のエンジンを譲ってもらえる話があり。自宅の軒先で乗せ替えました」と振り返る。

 このように失敗を恐れずになんでも挑戦してみるのがオーナー流。その後も、高速道路で回しすぎてブローさせたり、もともと調子が怪しかった中古エンジンを積み込んだりして、25年のうちにエンジンは計6回、ミッションは計4回も載せ替えている。

「壊れたからついでに何かを付けようかとか、次々に何かやりたいことが出てくるので、まったく飽きることはありませんね」と、トラブルさえもいとわずに楽しんできたオーナー。今では、キャブセッティングもお手のものだ。


7基目となる現在はL28型改3L仕様となるエンジンや、4本目となるタコ足など【写真17枚】



ヘッドカバーやバッテリーを留めるステーには、Rを彷彿させる赤をあしらう。バッテリーを固定するステーのワッシャーは5円玉を代用。愛車と同じ昭和50年製だ。





排気系はパーツアシストの等長タコ足にハコスカ用のプロテック特注ステンレスマフラーを組み合わせる。ちなみにタコ足は4本目だそうだ。またキャブ下に装着されたハニカム材を使用した遮熱板は自作。




ヘッドカバーは鏡面仕上げで、プラグコードも永井電子機器の特注品。流れるように見える長さにしたのもこだわり。ラジエーターなどの真鍮部品は塗装を剥離して磨き上げる。そうすると金メッキ処理したかのような仕上がりになるそうだ。

【3】【4】に続く


1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT(KGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:フルGT-R仕様
(オーバーフェンダー、リアスポイラー、白ガラス、前後エンブレム、グリル)
■ エンジン:L28型改3L仕様、ソレックス44PHH、φ89mmピストン、亀有製強化スプリング、まつおか製74度加工カム、ワコー製シルバーコイル、亀有製ツインアイドラギア、永井電子機器製ウルトラ特注プラグコード、パーツアシスト製等長タコ足、プロテック製特注マフラー、ニスモ製強化オイルポンプ
■ 冷却系:純正流用3層ラジエーター、自作ヒートプレート
■ 駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、軽量フライホイール、DR30用ミッション、R200 LSD
■ 足回り:(F)ハコスカレース用改車高調、8kg-mmスプリング、AE101用TRD製レース用ダンパー、クスコ製ピローアッパーマウント (R)ビルズ製20段調整式ダンパー、プロテック製20kg-mmスプリング、GT-R用リアロワーアーム
■ ブレーキ:(F)流用キャリパー、φ300mmローター (R)純正GT-R用改
■ 内装:GT-R純正仕様、ダッツンコンペステアリング&レース用バケットシート
■ タイヤ:TOYOプロクセスT1R(F)205/50R15 (R)225/50R15
■ ホイール:パナスポーツG7 (F)15×8.5J -20 (R)15×10J -40



初出:ノスタルジックスピード 2016年 3月号 vol.009(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT (全4記事)

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text:DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo: MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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