販売台数わずか7台! 超希少な純正レッドのケンメリGT-R|73年式 スカイライン HT 2000 GT−R Vol.1

       

約120台がホワイト、そして約70台がシルバー、そして……

●73年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

1972年9月、スカイラインはハコスカの愛称で人気を博したC10系から、ケンメリと呼ばれるC110系へモデルチェンジ。

 そして、翌73年1月には、待望の2ドアハードトップをベースにしたKPGC110のGT-Rが登場。ところが、わずか4カ月という販売期間で、ケンメリGT-Rは、その姿を消したのだった。


生産台数197台といわれているケンメリGT-R。販売期間はわずか4ヶ月間のみだった。

関連記事:7台すべて現存しているらしい「赤いケンメリGT-R」|73年式 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.2


 その理由としては、諸説が語られていて、搭載するS20型エンジンのストックがなくなったとか、ソレックス40PHHが入手できなくなったなど。

 中でも有力なのは、高性能がウリのS20型エンジンでは、昭和48年度自動車排出ガス規制に適合させることが難しく、生産終了となったという説であろう。

 こうしてケンメリGT-Rは、一度もサーキットでその雄姿を披露することなく、生産が終了した「悲運のGT‐R」となってしまう。だが、その希少性から人気が沸騰。当時からほとんど中古車市場にも出回らず、たとえあったとしてもマニアの間で高値で取引されるGT-Rとなった。

 今回紹介する「赤いケンメリGT-R」がなぜ幻のスカイラインと呼ばれるかというと、そもそもケンメリGT-Rは、生産台数197台、うち2台は試作車といわれている。そして、ボディカラー別でいうと、約120台がホワイト、そして約70台がシルバー、そして、レッドは7台のみが生産されたといわれているからだ。




7連メーターが並ぶスパルタンなコクピット。
ダッツンコンペ・ステアリングは当時モノで、貴重なラジオのフタは、あちこち探して手に入れた純正だ。
ちなみに、オドメーターは3万5800kmだが、実際は12万km以上走行している。




純正バケットシートは、運転席側に多少破れがあるが、ドア内張りは新車時のビニールがかぶっている。




オーナーの矢島さんは、子供が小さかった頃は、リアシートに乗せて家族でドライブを楽しんでいたらしい。
リアサイドの内張りにはビニールがかぶったままだ。




ハコスカのレース用ワイドミラーは、レプリカにケンメリの足を付けて装着している。




ボディと8本のビスで留められたスポイラーは標準装備。
スカイライン伝統と言われる丸型のテールレンズだが、
S50系のスカイラインで採用されていたもののハコスカでは採用されず、ケンメリで復活した。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年2月号 Vol.149(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo : Isao Yatsui/谷井 功

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