「もう手を入れる個所はないようにも思えるが、やりたい事は山ほどある」|1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT  Vol.4

25年をかけて磨き上げた40万km走行の極上ケンメリ。

       
【1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT  Vol.4】

【3】から続く

 オーナーが28歳で手に入れたケンメリ。解体屋で何か使えそうな部品を見つけると、とりあえず手に入れておくクセもあり、トラブル時にストックパーツでまかなえたことも。週に1〜2回はドライブ。いつでも走った後の洗車は欠かさず、ピカピカに磨き上げているという。

 そして、もうひとつ。このケンメリの見どころといえる「R仕様」についても、少しずつ純正部品を買い揃えていった結果、エンジン以外はホンモノとまったく変わらないまでに仕上がった。ただし、本人的にはレプリカを目指すつもりは毛頭なく、自分がカッコいいと思えるスタイルを追求していっただけのこと。エンジンをS20型にせずにL28型改3Lにしているのも、L型への強い愛着とこだわりがあるからだ。

 もはや手を入れる個所はないようにも思えるオーナーのケンメリだが、
「エンジンもそろそろ載せ替えたいし、クラッチも交換したい。やりたいことは山ほどあるんだよね」と語る。あくまで自然体でケンメリと付き合ってきたレジェンドは、少年のようなまざしで愛車を見つめながら、いまも変わらぬ思いを語ってくれた。

OWNER’S VOICE/愛車を通じて知り合った仲間が財産

旧車の有名チームである「Team ZigZag」に所属しているオーナー。「ケンメリを通じて知り合った仲間とのネットワークも貴重な財産です。お互いに欲しかったパーツを譲り合ったり、交換したりすることも多く、パナスポーツのホイールもそのひとつ。以前に履いていたRSワタナベと交換したのですが、まるでこのクルマのための専用サイズかと思うほどにピッタリでした」と語る。

これまで3度オールペイントを施しており、タイヤハウス内までボディ同色に塗り替えている。メタリックが多く入った今風のシルバーが選択されたボディカラーなど【写真20枚】





ケンメリが旧車誌の表紙を飾ったこともある。ケンメリの情報にも精通し、仲間から頼られる存在だ。明るく気さくな人柄で、人望も厚い。




1990年のヤングオート誌の広告に、オーナーが購入する前の愛車が掲載されていた。左上のケンメリがそのもので、RSワタナベを履いているように見えるが、実はFF用の類似ホイールだった!?  




25年をかけて磨き上げた40万km走行の極上ケンメリ



1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT(KGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:フルGT-R仕様
(オーバーフェンダー、リアスポイラー、白ガラス、前後エンブレム、グリル)
■ エンジン:L28型改3L仕様、ソレックス44PHH、φ89mmピストン、亀有製強化スプリング、まつおか製74度加工カム、ワコー製シルバーコイル、亀有製ツインアイドラギア、永井電子機器製ウルトラ特注プラグコード、パーツアシスト製等長タコ足、プロテック製特注マフラー、ニスモ製強化オイルポンプ
■ 冷却系:純正流用3層ラジエーター、自作ヒートプレート
■ 駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ、軽量フライホイール、DR30用ミッション、R200 LSD
■ 足回り:(F)ハコスカレース用改車高調、8kg-mmスプリング、AE101用TRD製レース用ダンパー、クスコ製ピローアッパーマウント (R)ビルズ製20段調整式ダンパー、プロテック製20kg-mmスプリング、GT-R用リアロワーアーム
■ ブレーキ:(F)流用キャリパー、φ300mmローター (R)純正GT-R用改
■ 内装:GT-R純正仕様、ダッツンコンペステアリング&レース用バケットシート
■ タイヤ:TOYOプロクセスT1R(F)205/50R15 (R)225/50R15
■ ホイール:パナスポーツG7 (F)15×8.5J -20 (R)15×10J -40



初出:ノスタルジックスピード 2016年 3月号 vol.009(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 スカイラインHT 2000 GT (全4記事)

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text:DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo: MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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