ブロアムを超える「5ナンバー車の頂点を極めたもうひとつの高級車」|1984年式 日産 グロリア 4ドアハードトップ V20ターボ ジャック・ニクラス バージョン Vol.3

「帝王」の名が与えられた、豪華さを極めたもうひとつの頂点。

       
【1984年式 グロリア 4ドアハードトップ V20ターボ ジャック・ニクラス バージョン Vol.3】

【2】から続く


 なおカタログには、「5ナンバー車の頂点を極めたもうひとつの高級車」、「グロリアシリーズの『帝王』ともいえる、もうひとつの頂点です」と記述されている。つまり日産としては、2Lモデルのなかで「ブロアムを超える最上級グレード」というポジションを、JNVに託していた。そして、その名に恥じないほどの高い人気を獲得し、ライバルのクラウンと対峙していたのだ。

 これまでもスポーツ選手や俳優の名を冠したモデルは数多くリリースされてきた。しかし、JNVほど所有欲を満たし、優越感に浸れるモデルは、ほかには存在しないだろう。

OWNER’S VOICE/度重なるトラブルを乗り越え永遠のパートナーを宣言

 もともとはプリンス系のクルマが好きだという、オーナー(写真右)。愛車のJNVは、自身が中学生のときに父親が購入し、約23年前に譲り受けたそうだ。しかし、これまでの道のりはけっして平坦なものではなく、冷却系や点火系、電装系やサスペンションなど、さまざまな部分に故障が発生したという。その度に苦労してきたが、度重なるトラブルを乗り越えてきただけに、愛車に対する愛情はひとしお。事実、オーナーのJNVに対する愛情の深さは、外装のコンディションのよさや室内の清潔さを見ればひと目でわかり、「このJNVは一生手放しません」と宣言するほどだ。

 このように、心底JNVにほれ込んでいるが、ミニカーやブリキ模型、カタログや書物など、Y30関連のアイテムを多数所蔵。なかでもミニカーはアンチモニー製のモデルが多く、レアな商品も所有しているそうだ。なお、取材時に一緒にお越しいただいた友人(写真左)もY30オーナー。ふたりで日々Y30談議に花を咲かせているという。



ドアノブに装備されたボタンで暗証番号を入力することにより、キーがなくてもドアの施錠/解錠、トランクオープン、パワーウインドーの下降が行えるキーレスエントリーなど【写真19枚】




ウッドパネルやシルバーの加飾を配し、高級感を表現したインパネ。ステアリングは、スイッチとユニット間を「光」で通信化した光通信式で、センターパッド部にはラジオやオートクルーズのスイッチが配置される。






JNVには4名分のシートポジションを記憶するマイコンシートが標準装備されており、シフトレバー前方にはそのスイッチ類が設置されている。左側に見えるのは、バックスキャナーのオン/オフスイッチだ。






ルーフにはスポットランプに加え、リッチな世界を演出するファンシーランプも装備。ダイヤルによって無段階に光量の調整が可能となっている。


1984年式 グロリア 4ドアハードトップ V20ターボ ジャック・ニクラス バージョン (KY30)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4690×1690×1425
ホイールベース(mm)  2730
トレッド前/後(mm) 1430/1400
車両重量(kg)  1470
エンジン型式  VG20ET型
エンジン種類 V型6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 170/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 22.0/4000
変速比 1速 2.842/2速 1.542/3速 1.000/4速 0.686/後退 2.400
最終減速比 4.375
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/5リンク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/70R14(前後とも)
発売当時価格 336.3万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年 11月号 vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1984年式 グロリア 4ドアハードトップ V20ターボ ジャック・ニクラス バージョン(全3記事)


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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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