のちにロードスターにも搭載! ちょうどいいパワー感と全域での扱いやすさをもつB6型|1987年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック GT Vol.3|駆け抜けるテンロク

「特別ハイパワー感とは感じないけれど、中低速域はとても扱いやすい」というオーナーの山崎哲久さん。スタイルが一番のお気に入りだそうだ。

       
【1987年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック GT Vol.3】

Vol.2から続く

 しかし、これほどのスペックを必要としないファンがいることも事実。そのためにマツダが用意したのが、スポーツ性能をより気軽に楽しめる自然吸気版のB6型エンジンを搭載した1.6L DOHCのFFモデルだ(前期型はスポルト16、後期型はGT)。

このB6型エンジンは、8ビットマイコン制御のEGI(電子制御燃料噴射装置)や可変吸気システムの搭載により、回転数に応じてきめ細やかにエンジンをコントロール。中低速トルクの厚みと16バルブならではの高速域のハイレスポンスを併せ持っている。

HKSスーパーパワーフローに交換されたエアークリーナーや、超レアなマツダ版ロードマップなど【写真6枚】



 ターボほどのハイパワーはないものの、110psというちょうどいいパワー感と全域での扱いやすさが特徴のB6型は、後にユーノスロードスターにも搭載。その素性の良さを世界中のファンに知らしめたのだった。



OWNER’S VOICE/手放して後悔するのが怖くていまだに乗ってます。

 オーナーの山崎哲久さんにとって免許取得後に初めて所有したクルマがBFファミリアだった。クルマに乗るのが楽しくて仕方がない時期に、前期型の1500XGセダンと4年間を共に過ごした。この蜜月が終わった1年後、片道40kmの通勤用セカンドカーを探していたときに出会ったのが現在の愛車だ。「やっぱりもう一度BFに乗りたかったというのが一番の決め手です」と語る山崎さん。7年落ちで走行距離1万km程度、しかもマツダのディーラー関係者が乗っていたという、素性と状態の良さも決めてだったそうだ。

 その後、転職など環境が変わって通勤車は必要なくなったのだが、「クルマ自体にトラブルはなく調子も良かったですし、何より後悔するのが怖くて手放さなかったんですよ」と山崎さん。購入から18年9カ月が経った今現在の走行距離は5.8万km程度で、これまでに大きなトラブルも起きていない。まだまだ現役で乗れる状態だ。BFに対する愛情に変わりはないと言う。


1987年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック GT(BFMP)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3990×1645×1390
ホイールベース(mm) 2400
トレッド前/後(mm) 1390/1415
車両重量(kg) 1010
エンジン型式 B6型
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1597
ボア×ストローク(mm) 78.0×83.6
圧縮比 9.4:1
最高出力(ps/rpm) 110/6500
最大トルク(kg-m/rpm) 13.5/4500
変速比 1速2.800/2速1.540/3速1.000/
4速0.700/後退2.333
最終減速比 3.700
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前 / 後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/60R14(前後とも)
発売当時価格 151.4万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年 8月号 Vol.022(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 マツダ ファミリア 3ドア ハッチバック GT (全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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