25年間開封せずに置いておいた152Eのパーツたちを使ってエンジンを組み立てる|1973年式 トヨタ セリカST Vol.3

歴史の積み重ねから生まれたセリカ。まさにトヨタモータースポーツの「血」を今に伝える存在といえるだろう。

       
【1973年式 トヨタ セリカST Vol.3】

The Legend is Back!

 79年にアメリカに移住し、トイスポーツをスタートさせたジョエルさん。ロサンゼルスのTRD本社に机を構え、全般的なコンサルタントや、東海岸のオフィシャルディーラーへのディストリビューター業務などを担当してきた。

 また、レースシーンにおいては、TRD IMSA GTU、 アメリカ初のフォーミュラ・アトランティックエンジン、 そして全ての503E型エンジン(ルマン参戦車などに搭載された3S‐G型ベースのレース専用エンジン)のターボセットアップを担当。 アメリカ初の152E型エンジンを入手したのも彼で、最後の396E型(4T‐GT型)と 503E型 はトイスポーツに送られたという。

 トイスポーツは主に 20/22R型、 4/7A‐G型、3/5S‐G型など、純正エンジンをベースに排気量を拡大したチューニングエンジンの製作を得意とし、数えきれないほどの18R‐G/2T‐G型や全バージョンの4バルブ「‐G」系型エンジンを製作し、 350台(基)以上の車両やエンジンを、全米はもちろん日本を初めとする世界に輸出してきた。

 152E型エンジンがモータースポーツシーンでの活動を終えた際、関連パーツのほとんどを日本から入手。25年間開封せずに置いておいたが、その後それらのパーツを使ってエンジンを組み立て、販売するようになった。

 こうした歴史の積み重ねから生まれたのが、このセリカで、まさにトヨタモータースポーツの「血」を今に伝える存在といえるだろう。

メーターのレッドゾーンは8200rpmからになっているが、1万1000rpmまで回る152E型エンジンなど【写真10枚】



1973年式 トヨタ セリカST(TA21)主要諸元
●エンジン:152E型(18R-G型改)直列4気筒DOHC 16バルブ排気量:2.2L、ソレックスφ50mm、ステンレスキゾーストマニホールド+ステンレスマフラー
●電装系:バッテリー移動→車室内へ、TRDプラグコード、TRDタコメーター
●冷却系:アルミラジエーター+FRP製シュラウド、オイルクーラー
●駆動系:アルテッツァ用6速MT(J160)
●エクステリア:ソリッドブルーオールペイント、JDMフェンダーミラー、セミワークスフェンダー、GTVグリル
●インテリア:TRDカーボンケブラー フルバケットシート、TRDナルディステアリング
●ホイール:7J×13
●タイヤ:BFグッドリッヂ F:215/50R13 R:235/50R13

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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