幻の狭角ヘッド。152E型エンジン搭載のストリートレーサー!|1973年式 トヨタ セリカST Vol.1

一見オーバーフェンダーを装着したなんの変哲もないダルマセリカに見える。

       
【1973年式 トヨタ セリカST(TA21) Vol.1】

ワークスマシンに搭載されたDOHC16バルブヘッドを備えた152E型エンジン
市販車用としては存在せず、競技車両専用に開発された、このエンジンは
ラリーやレースなどのモータースポーツフィールドでのみ存在した「幻」のエンジンだ
そんな希少な152E型エンジンを搭載したセリカがアメリカに生息している



日本国内仕様のツーテールタイプのテールレンズや、US仕様特有のサイドに付くマーカーなど【写真7枚】

 1970年代当時のトヨタのモータースポーツ活動においては、1気筒当たり、4つのバルブを持ち、挟み角30度という極端に狭い角度で配置した「狭角ヘッド」と呼ばれるヘッドを備えたスペシャルエンジンが開発された。

 1.2Lの3K型をベースに排気量を1.3Lに拡大し、DOHC4バルブ化した132E型。1.6Lの2T‐G型をベースとした151E型、そして2Lの18R‐G型をベースとした152E型エンジンだ。

 中でも2Lの152E型は、富士グランチャンピオンレースに参戦していたワークスのセリカや、ターボをドッキングさせたグループ5のシュニッツァーセリカ、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)のラリーマシン、RA40系セリカなどにも搭載された。排気量はレースフィールドやレギュレーションに応じて、2.2〜2.3L程度まで拡大されたものもあったという。

 しかし、この3つのエンジンは、あくまでもレースやラリーなどの競技車両専用に開発/供給されたもので、だからこそ、現存するものは少なく、一般に流通することはまずない。
 
Vol.2、Vol.3に続く

1973年式 トヨタ セリカST(TA21)主要諸元
●エンジン:152E型(18R-G型改)直列4気筒DOHC 16バルブ排気量:2.2L、ソレックスφ50mm、ステンレスキゾーストマニホールド+ステンレスマフラー
●電装系:バッテリー移動→車室内へ、TRDプラグコード、TRDタコメーター
●冷却系:アルミラジエーター+FRP製シュラウド、オイルクーラー
●駆動系:アルテッツァ用6速MT(J160)
●エクステリア:ソリッドブルーオールペイント、JDMフェンダーミラー、セミワークスフェンダー、GTVグリル
●インテリア:TRDカーボンケブラー フルバケットシート、TRDナルディステアリング
●ホイール:7J×13
●タイヤ:BFグッドリッヂ F:215/50R13 R:235/50R13

初出:ノスタルジックヒーロー 2014年2月号 Vol.161(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ セリカST(全3記事)

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photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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