鮮やかなオレンジ! GノーズのS30Z|72年式 日産フェアレディ240ZG「なっちゃん号」Vol.1

低く構えたレーシーなスタイリングこそS30Zの真骨頂。なかでも240ZGは、シャープなGノーズとワイドなオーバーフェンダーも相まって、より戦闘的に見える。ベースとなっているのは72年式で、手を入れる以前はかなりサビが進行し、補修作業の連続だったとか。ちなみに「なっちゃん号」のネーミングは鮮やかなオレンジのボディカラーが由来だ。

       

オールマイティーに使えるRSスタートのデモカー


S30Zに限らず、旧車をオリジナルの状態にと徹底的にこだわる人もいれば、チューニングをとことん楽しむ人もいる。今回紹介するRSスタートのデモカー「なっちゃん号」はまさに後者で、細部まで手が入れられた1台だ。


 ちなみに、RSスタートにはもともとS30Zのデモカーがあったという。しかしお客さんに売却してしまい、新たなデモカーを造ることになった。そこで、どうせなら徹底的に手を入れた1台を造ろうということで、レストアも含めたデモカー造りがスタート。ただし、ボディからエンジン、足回りまで徹底的にチューニングし、圧倒的なパフォーマンスを誇っても、サーキットしか走れないような仕様ではダメ。あくまでもストリートをベースにしながらサーキット走行も楽しめる、いわばオールマイティーに使える仕様をコンセプトに仕上げることになったそうだ。


 また、S30Zで意見が分かれるのがフロントノーズ。ショートノーズも魅力的だが、ベース車が240ZGということと好みにより、Gノーズを選択。Gノーズの場合、最高速が伸びたり、若干ながら燃費の向上に貢献するなどのメリットがある半面、フロント開口部が狭いために、サーキット走行などでは水温や油温に厳しいというデメリットもある。それでも好みのスタイルを貫き通して、Gノーズを装着したという。走りも大事だが、見た目にもこだわりたい。そんなRSスタートのクルマ造りが感じられる部分といえる。


関連記事:エアジャッキを装備したストリート仕様|72年式 日産フェアレディ240ZG「なっちゃん号」Vol.2




エンジン本体は、L28型をベースにφ89mmハイコンプピストンとLDクランクを組み込んだ3.1L仕様で、フルバランス取り済み。ヘッドは、78°カム、ビッグバルブ、強化バルブスプリング、ポート研磨などが施され、キャブレターはソレックス50PHH、点火系はMDI-D、タコ足は6-2-1タイプを採用。この仕様で約290psというハイパワーを発揮し、街乗りもこなす柔軟性を誇る。



ラゲッジスペースのスペアタイヤ部分には、ニスモの電磁ポンプ×3基、レギュレーター、フィルターをレイアウト。配管はこだわりのパイプで製作。



オリジナルのオイルキャッチタンクを純正のバッテリー位置に設置。材質はアルミだ。



オルタネーター、ウオーターポンプ、クランクの各プーリーはレース用を装着。ベルトを細くすることができるので、フリクションの低減に効果大。



エアの注入口はフロントノーズ下部、右側ウインカーの脇に設置される。
エアジャッキについては、続編(5月26日公開予定)にて。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年 10月号 vol.147(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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