トミーカイラが生んだR31【2】エンジン型式はRB30型ではなく「M30」|HR31改 トミーカイラ M30

本来の命名方式ならエンジン型式はRB30型となるが、正確にはM30型

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【HR31改 トミーカイラ M30 vol.2】

また、デビュー当初は4ドア(セダンとハードトップ)とワゴンのボディだったが、86年には2ドアスポーツクーペのGTSシリーズがラインナップに加わり、一段と走りのスカイラインをアピール。

そして、87グループAのホモロゲモデルとして、最強のGTS‐Rを800台で発売。いまだにファンあこがれのモデルして君臨している。

そんなR31スカイラインだが、GTS-R以上に希少で「幻」と言われているモデルが存在する。
それがミーカイラM30だ。その名が表す通り、トミーカイラが製作した国産車初の公認チューニング・コンプリートーカーで、87年に発表された。

注目はエンジン。ベース車よりも高性能を目指し、トータルバランスを考慮してトミーカイラが選んだのは、自然吸気のツインカム。排気量は3リットルだ。
しかし、国内用RB型には3リットルの設定はない。そこで白羽の矢を立てたのが輸出用(オーストラリア用)だが、こちらはシングルカム。
そこで、輸出用のブロックにRB20DE型のツインカムヘッドを組み合わせたのだ。これにより最高出力240ps、最大トルク30.0㎏‐mを達成。
加えて、排気系やコンピューター、サスペンションにも専用チューニングが施され、ベースのR31スカイラインとは別もののスカイラインが生み出されたのだった。

【画像18枚】M30にはトミーカイラのシリアルナンバー入りプレートが付く。この個体のナンバーはひと桁

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グリーンのヘッドカバーが特徴のM30用ユニット。ほとんどのパーツが日産純正部品で組まれたことも大きなポイントだった。ステンレス製等長エキマニなど、排気系チューンも施されている。この個体のエンジンは、オーバーホール時にR31ハウスでオーバーヒート対策を実施している。
グリーンのヘッドカバーが特徴のM30用ユニット。ほとんどのパーツが日産純正部品で組まれたことも大きなポイントだった。ステンレス製等長エキマニなど、排気系チューンも施されている。


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主要諸元 SPECIFICATIONS

1987年式 トミーカイラ M30(HR31)

●全長×全幅×全高(㎜) 4660×1690×1365
●ホイールベース(㎜) 2615
●トレッド前/後(㎜) 1425/1420
●車両重量(㎏) 1310
●エンジン型式 M30型
●エンジン種類 直列6気筒DOHC
●総排気量(cc) 2962
●ボア×ストローク(㎜) 86.0×85.0
●圧縮比 ー
●最高出力(ps/rpm) 240/7000
●最大トルク(㎏-m/rpm) 30.0/5800
●変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/
●4速1.000/5速0.838/後退3.382
●最終減速比 4.375
●ステアリング ラック&ピニオン
●サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
●ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
●タイヤ 205/60R15(前後とも)
●発売当時価格 580.0万円


初出:ハチマルヒーロー vol.045 2018年1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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HR31改 トミーカイラ M30(全3記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : MAKOTO INOUE/井上 誠

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