黄色ナンバーのフィアット【1】ヌォーヴァ500の後継として誕生した超小型車|2000年式 フィアット 126 マルチ

前後のバンパーは、イタリア時代のオリジナルである金属+メッキから大型の樹脂製に変更することで、ハチマル時代のトレンドに近づけようとしていた

       
【2000年式 FIAT 126 Vol.1】

【画像17枚】ポーランド生まれのイタリア大衆車。ボディサイズの割にはルーミーなキャビン。樹脂製のパネル類は「ハチマル的」デザインである。またメーターの備えは最小限のため、この個体ではタコメーターなどを追加している

フィアットの超小型車「126」は、今なお絶大な人気を誇る名作「ヌォーヴァ500」と空冷直列2気筒OHVエンジンなどのコンポーネンツを共用する上級版。実質的には後継車として1972年にデビュー。1985年をもってイタリア本国での生産は終えたものの、実はそのあとも東欧ポーランドにて数奇な運命をたどることになった。

ポーランドでは、遥か1938年からイタリア・フィアットのライセンス生産を開始。「ポルスキ・フィアット」ブランドで販売されていたが、第二次大戦勃発によって乗用車生産は早々に終了。

戦後になると旧東側に組み込まれたことから、FSMやFSOなどの国営企業が、旧ソ連製の設計を譲り受けた中型車やオリジナル設計の小型車「シレーナ」などを生産していた。



>>ラゲッジスペースは、燃料タンクとスペアタイアにほぼ占領されてしまう。


FIAT 126 ※スペックは初期型のものです。
主要諸元 Specifications

全長×全幅×全高(mm) 3109×1377×1335
ホイールベース(mm) 1840
トレッド(mm) 1142/1203(前/後)
車両重量(kg) 600
エンジン種類 空冷直列2気筒OHV
総排気量(cc) 652
内径×行程(mm) 77×70
圧縮比 8:1
最高出力(ps/rpm) 17.6/4500
最大トルク(kg-m/rpm) 4.2/3000
ブレーキ 前後ともドラム
タイヤサイズ 前後とも135SR12

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【2】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1995年式 FIAT 126(全5記事)

TEXT : HIROMI TAKEDA/武田 公実 PHOTO : MASAMI SATO/佐藤正巳

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