スバル初のフルタイム4WD、それがRX/Ⅱ ターボ|1986年式 スバル レオーネ 3ドアクーペ RX/Ⅱ ターボ【1】

「4WD TURBO」のデカールが誇らしい。カバー付きフォグは純正アクセサリー

       
【最強の系譜 4WD+ターボ 1986年式 スバル レオーネ3ドアクーペ RX/Ⅱ ターボ vol.1】

 高い走行性能を誇るスポーティーなステーションワゴンとして日本国内でも爆発的なヒットを記録したレガシィツーリングワゴン、WRC(世界ラリー選手権)で数々の栄光を手にして最強マシンの1台として君臨したインプレッサWRXに代表されるように、90年代以降、フルタイム4WDターボはスバルの象徴となった。スバルのシステムの特徴はレイアウトにあり、低重心の水平対向エンジンを核としたパワートレーンが、左右対称かつ一直線に並ぶ。このシンメトリカルレイアウトにより、4輪にバランスよく荷重がかかるためタイヤの接地性を確保するとともに、より効果的な駆動力配分が可能となり、4輪駆動のポテンシャルを最大限に引き出して優れた走行性能を発揮するのだ。

 このシンメトリカル4WDレイアウトのルーツが80年代にあるのだが、その前にスバルの4WDの歴史を振り返りたい。スバルが4WDモデルの市販を開始したのは72年。それが初代レオーネの4WDで、国産初の乗用タイプ4WD車の誕生でもあった。その後、79年に2代目レオーネ4WD、80年に国産初の軽キャブオーバー4WDとなるサンバーをリリースするなど、積極的に乗用4WDを展開。その点でスバルは一日の長があるといえる。
【画像18枚】大きく開くハッチゲートが備わっており、開口部が大きく、容量も550L、後席収納時最大1127Lもあり、実用性が高い。「4WD」の文字がはっきり残るマッドガードからも個体の状態の良さがわかる。「当時の雰囲気を出すためにアースベルトを付けています」とオーナー談



>>86年デビューから89年の生産終了まで、RX/Ⅱに大きな変更はない。細かい部分では、ヘッドライトサイド部分のウインカーレンズが、デビュー時はオレンジ部分が上下いっぱいまで伸びていた。



>>リアスポイラーがスポーティーなスタイルを強調。RX/Ⅱのボディカラーは当初は白のみ。後のマイナーチェンジでグレー(ガンメタ)が追加。




レオーネ 3ドアクーペ RX/Ⅱ ターボ(AG6)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4370×1660×1405
ホイールベース(mm) 2465
トレッド前/後(mm) 1415/1425
車両重量(kg) 1110
エンジン型式 EA82型
エンジン種類 水平対向4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1781
ボア×ストローク(mm) 92.0×67.0
圧縮比 7.7:1
最高出力(ps/rpm) 120/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 18.2/2400
変速比 1速3.545/2速1.947/3速1.366/4速0.972/5速0.780/後退3.416
最終減速比 3.700
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/60R14(前後とも)
発売当時価格 191.0万円

【2】へ続く

1986年式 スバル レオーネ 3ドアクーペ RX/Ⅱ ターボ(全3記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:SATOSHI KAMIMURA/神村聖

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