VR-4に「ACTIVE‐FOUR」最先端技術を惜しげもなく投入。すべてはWRCでの勝利のために|1989年式 三菱 ギャラン 2.0 DOHC ターボ VR-4【1】

すべてはWRCでの勝利のために。1989年式 三菱 ギャラン 2.0 DOHC ターボ VR-4

       
【最強の系譜 4WD+ターボ  1989年式 三菱 ギャラン 2.0 DOHC ターボ VR-4 vol.1】

 1967年、コルト1000Fでのオーストラリア・サザンクロスラリー参戦が、三菱のインターナショナルラリーのデビューとなった。以降、WRC(世界ラリー選手権)やクロスカントリーラリーなどに積極的に参戦。サザンクロスラリーでは、72年にギャランが優勝を飾り(これが三菱初の国際ラリー優勝でもある)、初代ランサーでは73年から4連覇。また、WRCでは73年にギャランでサファリラリーに挑戦したのが始まりで、翌74年には早くも初勝利。オイルショックによるラリー活動の一時中断があったものの、81年にランサーEXでカムバックし、スタリオンへとその役目は引き継がれ、ラリーは三菱の代名詞となった。

 一方、80年代後半のWRCはグループBからグループAへ規定が移行したことをきっかけに、4WDターボが席巻していた。スタリオンで参戦していた三菱は苦戦を強いられ、「WRCグループAでの勝利を」を合い言葉に、1台の新型モデルを開発した。それが6代目ギャランのVR-4だった。

 改造範囲が限られるグループA。それだけに、ベース車のポテンシャルの高さがカギとなる。三菱は技術の粋を結集してVR-4に「ACTIVE‐FOUR」を標榜する新システムを搭載した。これは、4バルブDOHCエンジン、4WD、4WS、4IS、4ABSからなる新たな総合システムだ。

【画像17枚】ボディサイドにはハイスペックを誇示するデカールが施されている。メーターは視認性のよい大型2眼メーターで、片方のタコメーター内にブースト計を内蔵。リアコンビランプもマイナーチェンジでの変更点のひとつ。前期は上側にウインカーとバックランプが配置される。つまり後期とは逆のデザインだ



>>11年前にワンオーナーで走行距離1万km未満というハイスペック中古車を購入した女性オーナー。ダートラをやってみたいそうだが、機会に恵まれず、いまだ未経験とのこと。昨年は1年間で1000km程度しか乗らなかったため、「今年はもう少し乗ってあげたい」とオーナー談。



>>純正リアスポイラーは後期で2点留めに変更。また、初期モデルは柔らかいウレタン製だった。


ギャラン 2.0 DOHC ターボ VR-4(E39A)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4560×1695×1440
ホイールベース(mm) 2600
トレッド前/後(mm) 1460/1450
車両重量(kg) 1380
エンジン型式 4G63型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1997
ボア×ストローク(mm) 85.0×88.0
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps/rpm) 220/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 30.0/3500
変速比 1速2.846/2速1.684/3速1.115/4速0.833/5速0.666/後退3.166
最終減速比 4.933
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウイッシュボーン
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/60R15(前後とも)
発売当時価格 273.6万円

【2】へ続く

1989年式 三菱 ギャラン 2.0 DOHC ターボ VR-4(全3記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

関連記事:最強の系譜 4WD+ターボ
関連記事:三菱

TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:AKIO HIRANO/平野陽

RECOMMENDED

RELATED

RANKING