わずか800回転から過給を開始する、パルサー「超広域」ターボ|1984年式 日産 パルサー ミラノX1 ターボ【1】

フロントグリルなどはグレードによる差はなく、EXAをのぞいて全車共通

       
【1984年式 日産 パルサーミラノX1ターボ vol.1】

 1978年に登場したN10パルサーは大ヒットを記録。その理由は欧州での流行を受けて日本でも注目されはじめたハッチバック人気が大きい。そのためパルサーは4ドアセダン、3ドアハッチバック、5ドアハッチバックとさまざまなボディ形状のラインナップを揃えることとなり、またそのどれもが一定の売り上げをあげることに成功した。

 そのヒットを受けた2代目のN12パルサーは82年に登場。初代の成功例もあり、当初からラインナップの充実が図られていた。

 発売月である82年4月には先代のヒットモデルであるハッチバックの充実が優先され、3ドアハッチバック、5ドアハッチバックの2種類が先行。そして新しく2ドアノッチバッククーペであるEXAがラインナップに加わった。セダンはハッチバックの発売から遅れること2カ月で用意された。

 エンジンは1.3Lと1.5Lのキャブレター仕様と1.5Lのインジェクション仕様。83年には1.5Lのターボ仕様と1.7Lのディーゼル仕様が追加された。サニーがカバーしきれない市場をフォローする役割もあり、当時の主流であったボディ形状とエンジン種類が用意されたことで、N12は兄弟車展開も行われ、ラングレー、リベルタビラも発売。次の世代のN13でも兄弟車展開された。

【画像22枚】ターボチャージャーは低速トルクカムとの組み合わせでわずか800rpmから過給を開始する超広域タイプ。これによりターボ特有の低速域でのトルクの細さを軽減し、街中でも乗りやすい特性を発揮。また三元触媒の採用で燃費も向上させている。



>>熱線ウインドーとリアウインドーワイパーはミラノX1と5ドアTS-G、EXAに標準装備。サイドのモールは幅広く、走行時の跳ね石などからボディを守るように設計。黒塗りのドアサッシュもミラノX1専用。ミラノX1とロゴの入ったアクセントストライプも当然ながらミラノX1専用のもの。マッドガードもミラノX1標準装備だ。



>>N12のロゴ入りフロントスポイラーはミラノX1にのみ標準装備されたもの。衝撃吸収バンパーも当時の特別装備だ。




1984年式 日産 パルサーミラノX1ターボ

全長×全幅×全高(mm) 4095×1620×1390
ホイールベース(mm) 2415
トレッド(mm) 1395/1385(前/後)
車両重量(kg) 910
エンジン型式 E15E・T型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1487
ボア×ストローク(mm) 76.0×82.0
最高出力(ps/rpm) 115/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 17/3200
サスペンション 前独立懸架ストラットコイル/後独立懸架トレーリングアーム
ブレーキ 前後ともディスク
タイヤサイズ 前後とも175/70SR13
発売当時価格 142万円


【2】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2017年3月号 Vol.40
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 日産 パルサーミラノX1ターボ(全3記事)

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TEXT : HACHIMARU HERO / 編集部 PHOTO : HIROTAKA MINAI / 南井浩孝

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