7レース、250台近い車両がサーキットを走ったクラシックカーフェスティバル|JCCAクラシックカーフェスティバル・富士ジャンボリー2019【3】

日本のヒストリックレースもかなり根付いてきた、という印象を強く受けた今回のイベントだった。

4月7日、富士スピードウェイで今年もJCCAクラシックカーフェスティバルの第1戦、富士ジャンボリーが開かれた。

同シリーズは、昨年夏の筑波戦が予定されず、春の富士戦と秋の筑波戦と年2戦のスケジュールで行われたが、今年は例年どおり年3戦、4月の富士戦、7月7日の筑波戦「筑波ミーティングサマー」と10月20日の筑波戦「筑波ミーティングエンデュランス」が催行イベントとして計画されている。

【画像47枚】日本のヒストリックカーレースもかなり根付いてきたようだ。大幅な改造が可能なFレースでの注目は1.3Lの布浦サニーで2分00秒196で予選4番手、決勝も4位をもぎ取った

【イベント振り返り2019年 JCCAクラシックカーフェスティバル・富士ジャンボリー2019 vol.3】

 7レースが組まれたことも今回の大きな特徴だ。催行順にヒストリックフォーミュラ、Pレース、ヒストリックグランプリ、TSカップ、FLレース、Sレース、Fレースでエントリー台数は150台を超し、これにスポーツ走行であるジャパンランの1と2、オーバーシーランの参加車両を加えると、250台近い車両がサーキットを走ることになる。

 JCCAを主宰する岡政由代表は、黎明期の富士スピードウェイが果たした役割は、現在に続く日本のモーターレーシングそのもの。そうした歴史と触れ合うことは大きな意義がある、という。いつか日本のグッドウッドになれたら、というのは岡代表の思い。

 日本のヒストリックレースもかなり根付いてきた、という印象を強く受けた今回のイベントだった。


FL-RACE

 日本独自の自動車カテゴリー、軽自動車のエンジンを使うフォーミュラがFL(フォーミュラ・リブレ)で、軽自動車が360ccだった時代はFJ360、550ccに引き上げられてからはFL500/550の名称でレースが企画されていた。今回の参加は全14台。稲葉のハヤシ711が最速でタイムは2分18秒台。これに1秒差で永田のアウグスタが続くが3番手の相川ファルコンは4秒半以上遅くなる。決勝レースは、一時的に永田がトップに立つこともあったが、相川が主導権を握り、結果的に永田が大差で続き、さらにその後方の3番手を根本と金子が争うかたちで展開、ゴールした。




JAPAN RUN 1&2

 持ちタイム(性能)によって2クラスに分けられるジャパンランは、今回も盛況に行われた。基本的には1979年までに生産された国産車が対象だが、80年代前半の車両もちらほらと目にすることができた。こうしたあたり、規定上最も新しい79年製でも40年前、これが84年製になってもすでに35年前。旧車の規定が年々見直しが必要なことを物語る例だ。それぞれのクラスの顔ぶれだが、ジャパンラン1は40台中31台が日産車、あとはトヨタ車が7台、マツダ、いすゞが各1台ずつ、ジャパンラン2は37台中21台が日産車、トヨタ車が13台、マツダ車3台という内訳だった。車種別ではスカイラインが18台、サニーが14台とこの両車が多く、トヨタ車はセリカ、レビン/トレノとやはり2T-G搭載車が主勢を占める状況だった。





OVER SEA RUN

 ジャパンランと同じく1979年までに作られた外国車を対象とするスポーツランの枠がオーバーシーランだ。ジャパンランの場合は高度にチューニングされたハイパワー車両も多く、ラップタイム計測を目的に参加する車両も少なくないが、オーバーシーランの場合は大事にしている愛車をたまにはサーキットで心置きなく走らせてみたい、というオーナーの参加も結構多いようだ。今回の参加メンバーではBMW635CSiやVWビートル、フォードムスタングなどがこれに該当するような車両だった。その一方で、ヒストリックグランプリに参戦できる車両が、軽い足慣らしのつもりでこのスポーツ走行枠に参加してくるケースもあり見どころは尽きない。





【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックスピード vol.191 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

JCCAクラシックカーフェスティバル・富士ジャンボリー2019(全3記事)

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text:Akihiko Ouchi/大内明彦 photo:MasamiSato/佐藤正巳、Akihiko Ouchi/大内明彦 sponser:JCCA/日本クラシックカー協会

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