ポルシェエンブレムのスバル360の茶目っ気。酒蔵の中に収められたクルマコレクションの正体とは!?|酒蔵の中の軽自動車【1】

新車で購入したスバル360もずっとここに保管されている。現在は比較的交通量の少ない時間にドライブに出る程度だという。またお父様は、小さいクルマが一番と、メインのクルマとしてアルトターボRSを使っている

       
古い街道沿いには決まって、大きな造り酒屋があるものである。国道9号線は京都から日本海側に通じる古くは山陰道、京都から下関までを結ぶ国道である。その途中に看過できない酒蔵がある。

【酒蔵の中の軽自動車 vol.1】

 関西在住のオーナーは、自動車という工房を開いているメカニック。ご実家は古くから続いた造り酒屋で、本来であれば酒造りを継ぐべき人物。しかしクルマ好きの父親が理解を示したこともあり、醸造家の道ではなく自動車を整備する道に進んだ。

 関西のポルシェのディーラーに勤務したのち、川に面した敷地の一角を工場にして開業。顧客はポルシェを中心に、市内や関西一円に存在する趣味的クルマを持つオーナー個人の腕を見込んで整備や車検などを託すユーザーが多い。そのディーラー仕込みの技術もさることながら、オーナーの温和な人柄にひかれるのだ。

 女性オーナーもクルマを預けるひとり。ご主人が生前イタリアから直接日本に持ち込んだディノを大切に乗り続けている彼女は、オーナーの親戚筋にあたる。「彼がいなければここまで維持し続けることはできなかった」と言わしめるほど、信頼しされているメカニックがオーナーなのである。

 先に書いたように、ご実家はもともと酒蔵。今は醸造をしていないが、自社ブランドのお酒をはじめ、通常の酒販を手掛ける酒屋だ。その今は使われていない酒蔵にはオーナーのコレクションが存在する。本人はもともとポルシェが好きで、愛情を持って接しているが、「軽いクルマは楽しい」と言って、実はたくさんの軽自動車を所有しているのである。

 それが酒蔵の中のコレクションの正体だ。もちろんポルシェも何台か存在している。しかしそれ以上に愛情こめられた軽自動車の数々が、ひんやりとして適度な湿度に保たれた酒蔵の中に並んでいるのだ。

【画像24枚】父親が酒蔵を営んでいたが、クルマ好きが高じて酒蔵にコレクションしたという。


>>酒蔵にずらりと並んだ軽自動車の数々。ノーマルのクルマはアルトターボRSだけで、すべて何かしらオーナーの手が入った軽自動車。不思議な空間だ。



>>広大な敷地は昔のまま。造り酒屋であった面影は今もいたるところに見て取ることができる。この古い酒蔵の主は、いまや芳醇な日本酒ではなく、懐かしいクルマたち。川に面した入り口はそもそもクルマの出入りを想定されていたわけではないだろう。敷地にはクルマが点在。それを今回は酒蔵の中に集めてもらった。



【2】へ続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

酒蔵の中の軽自動車(全2記事)

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text:Kentaro Nakagomi/中込健太郎

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