テールフィンを持つチャーミングなFRセダン|1969年式 三菱 ミニカ スーパーデラックス|掘り出し旧車

ドアはベースとなったミツビシ360と同じ前開きで、乗り降りしやすい

       

掘り出し旧車

今回からスタートした、注目の旧車情報をお届けするこのコーナー。今回は初代ミニカの最終型となるスーパーデラックスを紹介する。テールフィンの愛くるしいスタイルが魅力的だ。

【1969年式 三菱 ミニカ スーパーデラックス Vol.1】

 初代ミニカが発売されたのは、1962年10月のこと。前年の1961年にデビューした三菱初の軽4輪商用車の「ミツビシ360」をベースに、リアをノッチバックに変更した3ボックス乗用車(セダン)として開発された。

 小さいながらもリアにトランクを持ち、テールフィンを持つチャーミングなデザインとともに、FR駆動方式というのもポイント。当時のライバルは、RRのスバル360、マツダR360クーペ、キャロル、FFのスズライトフロンテなど。ミニカは、モノコックボディに2サイクル強制空冷2気筒エンジンをフロントに縦置きで搭載し、リアを駆動するFR方式を採用しているため、異彩を放つ存在だった。

 搭載するエンジンに関しては、デビュー当初は17 psを発生するME21型(359cc)を搭載。2年後の1964年にマイナーチェンジが行われ、ガソリン・オイル混合から分離給油としたME24型に変更し、出力は18 psに。その後1967年のマイナーチェンジで、21 psのME24D型エンジンにアップデートされた。

>> 【画像16枚】軽自動車ながら、リアにトランクがあり、テールフィンを持ち、オールディーズな雰囲気のリアスタイルなど



ブラックアウトされたグリルに「SUPER DELUXE」のエンブレムが装着される。





ボンネットに装着されるスリーダイヤのエンブレム





リアサイドのウインドーは下側が開く仕組み。Cピラーには、「SUPER DELUXE」のエンブレムが装着される。





スーパーデラックス用に新開発された水冷2サイクル2気筒の2G10型エンジンを縦置きで搭載。359ccで23psを発揮した。





エンジンの上はスペアタイヤの収納スペースとなる。


【2】に続く

1969年式 三菱 ミニカ スーパーデラックス(LA23J)

SPECIFICATION 諸元
全長 2995mm
全幅 1295mm
全高 1370mm
ホイールベース 1900mm
トレッド前/後 1110 / 1070mm
最低地上高 150mm
室内長 1490mm
室内幅 1090mm
室内高 1110mm
車両重量 520kg
乗車定員 4名
最高速度 100km / h
登坂能力 sinθ0.33
最小回転半径 3.6m
エンジン型式 2G10型
エンジン種類 2サイクル水冷直列2気筒
総排気量 359cc
ボア×ストローク 62.0×59.6mm
圧縮比 8.5:1
最高出力 23ps / 5500rpm
最大トルク 3.3kg-m / 4000rpm
変速比1速 3.673 / 2速 2.350 / 3速 1.491 / 4速 1.000 / 後退 4.652
最終減速比 5.833
燃料タンク容量 20L
ステアリング形式 ボールナット式
サスペンション前/後 横置き半楕円板ばね式 / 非対称半楕円板ばね式
ブレーキ前後とも 油圧式内部拡張式全輪制動
タイヤ前後とも 5.20-10-4PR
発売当時価格 37.8万円



初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年式 三菱 ミニカ スーパーデラックス(全2記事)

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text : NOSTALGIC HERO/編集部  photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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