ハチマルK|「盆と正月に加えてクリスマスまで一緒に来ちゃった」軽自動車史にその名を刻んだ4WDターボの最強ワークス|1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R Vol.1

80年代を象徴するイエローバルブを今も装着するオーナー。バンパー内蔵のフォグランプが顔つきにインパクトを与える。

       
ハチマルミーティング2014で栄光の「ハチマルK賞」を受賞した個体が満を持して登場。
ミニマムボディに軽自動車の枠を超えた高性能スペックを詰め込み、一世を風靡した80年代最強&最速のリトルモンスターが、当時の姿のまま現代に生き続けている。

【1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R Vol.1】

「盆と正月に加えてクリスマスまで一緒に来ちゃった……そんな感じですよね。軽自動車なのにツインカムにターボにフルタイム4WDですから。しびれましたよ」と語るのはオーナーのオーナー。それほど強烈なインパクトを与えたのだ。何のクルマの話かといえば、1987年2月にデビューしたアルトワークスのことだ。

 ターボエンジン全盛期となった80年代。ビッグセダンから始まったターボの勢いは瞬く間に広がり、ついに軽自動車にも投入された。軽自動車初のターボエンジン搭載車はミニカ(4代目)で、1983年3月に登場している。これを皮切りに、軽自動車の高性能化が一気に加速。アルト永遠のライバル、ダイハツ・ミラが1985年10月にTR‐XXをリリースしたことで、軽自動車にも本格的なスポーティーモデルが確立したのた。

 そして、大本命のアルトワークスである。このクルマは何から何まで軽自動車の枠を飛び超えていた。それを象徴するのがエンジン。ライバルのミラTR‐XXのSOHCに対して、こちらは1気筒あたり4バルブのツインカムを採用。ここに最大過給圧0.9kg/㎠のターボチャージャーとインタークーラーを装着することで、軽自動車最強の最高出力64 ps(ネット)というスーパースペックを手に入れた。


>>【画像19枚】まるで純正のように似合っている、ボディ下部と同色のシャンペンゴールドで塗装したRSワタナベの8スポークホイールなど



>> 迫力を増すエアスクープは空力特性も計算された流体フォルムを採用。ここから直接インタークーラーに空気を導く。





>> コの字形の大型リアスポイラーがリアビューをスポーティーに引き立てる。上部の逆翼型断面のウイングでダウンフォースを得て、左右のスリットで空気を整流する効果がある。





>> デュアルマフラーはタイコから2本に分岐しており、取り回しが複雑。そのため、作り直したいが大変なので保留中。





1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R(CC72V)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3195×1395×1405
ホイールベース(mm) 2175
トレッド前/後(mm) 1230 / 1200
車両重量(kg) 650
エンジン型式 F5A型
エンジン種類 直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 543
ボア×ストローク(mm) 62.0×60.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps / rpm) 64 / 7500
最大トルク(kg-m / rpm) 7.3 / 4000
変速比 1速 3.818 / 2速 2.277 / 3速 1.521 /
4速 1.030 / 5速 0.903 / 後退 4.000
最終減速比 5.133
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前 ストラット
       後 I.T.L(アイソレーティッド・トレーリング・リンク)
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 145 / 65R13(前後とも)
発売当時価格 109万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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