ハチマルK｜「運転するのは本当に楽しいですよ」手に入れた2台目のワークス｜1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R　Vol.3

ハチマルミーティング2014で栄光の「ハチマルK賞」を受賞した個体が満を持して登場。
ミニマムボディに軽自動車の枠を超えた高性能スペックを詰め込み、一世を風靡した80年代最強&最速のリトルモンスターが、当時の姿のまま現代に生き続けている。

【1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R　Vol.3】

【2】から続く

　ハイパワーエンジンに高性能シャシーと最先端4WDシステムを搭載したアルトワークスRS‐Rは、冒頭のオーナーのコメントのようにクルマ好きたちを興奮させた。「運転するのは本当に楽しいですよ。」とオーナー。ツインカムターボも4WDシステムも550ccの軽自動車には初搭載されたもので、まだ熟成の域には達していないのは事実だ。だが、その「荒削り感」がこのクルマでしか味わえない刺激につながっているのだろう。

　ちなみに、オーナーにとってこのアルトワークスは2台目の愛車となる。「10年前にも同型に乗ってましたが、諸事情で泣く泣く手放してしまって。いつかまた乗りたいと思っていましたが、4年ほど前にこの個体を見つけました。それほどその気ではなかったのですが、現車を見たら即決してました」とオーナー。購入後は全塗装や各部パーツを交換し、現在の状態を作り上げた。

　軽自動車とは思えない圧倒的なスペックでハチマル世代を象徴する一台となったリトルモンスターも、今では現存台数が少なくなった。だが、オーナーのような根強いファンの支えがあれば、その火が消えることはないだろう。

>>【画像19枚】リアビューをスポーティーに引き立てるだけでなく、上部の逆翼型断面のウイングでダウンフォースを得て、左右のスリットで空気を整流する効果があるコの字形の大型リアスポイラーなど




>> 最大過給圧は市販車のレベルを大きく超える0.9kg/㎠。通常の大気圧の倍近い空気を燃焼室に送り込み、ハイパワーを絞り出す。軽自動車の最高出力64psの自主規制は、この圧倒的なパワーがきっかけとなったのは有名な話。




>> ESA（電子進角）システムやEPI（電子制御燃料噴射）システムなど、クラス初の最先端コンピューター制御が取り入れられたエンジン。





>> 軽自動車史にその名を刻んだ4WDターボの最強ワークス


OWNER’S VOICE／初代ワークスの、素晴らしさを後世に



　約4年前に2度目のアルトワークスオーナーとなったオーナー。購入時に全塗装などひと通りのメニューを行い、ハチマル本誌でもトップクラスの仕上がりを見せているが、オーナーは厳しい目を向ける。「まだめどは立っていませんが、内外装のフルレストアを実施したいですね」とオーナー。そこまでする原動力は、アルトワークスを後世に残したいというオーナーの愛情。「それだけの価値があるクルマですよ」と語る。

1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R（CC72V）
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高（mm） 3195×1395×1405
ホイールベース（mm） 2175
トレッド前/後（mm） 1230 / 1200
車両重量（kg） 650
エンジン型式 F5A型
エンジン種類 直列3気筒DOHCターボ
総排気量（cc） 543
ボア×ストローク（mm） 62.0×60.0
圧縮比 8.0:1
最高出力（ps / rpm） 64 / 7500
最大トルク（kg-m / rpm） 7.3 / 4000
変速比 1速 3.818 / 2速 2.277 / 3速 1.521 /
4速 1.030 / 5速 0.903 / 後退 4.000
最終減速比 5.133
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前 ストラット
　　　　　　　後 I.T.L（アイソレーティッド・トレーリング・リンク）
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 145 / 65R13（前後とも）
発売当時価格 109万円

初出：ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R（全3記事）

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