ハチマルK|最強エンジンに加えて、一味違う先駆者的駆動方式を採用|1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R Vol.2

ボディのデカールは全塗装した際に再製したもの。RS-Rには「FULLTIME 4WD」のデカールが付き、そのステッカーも用意済みだが、フルレストアも考えているため貼付していない。

       
ハチマルミーティング2014で栄光の「ハチマルK賞」を受賞した個体が満を持して登場。
ミニマムボディに軽自動車の枠を超えた高性能スペックを詰め込み、一世を風靡した
80年代最強&最速のリトルモンスターが、当時の姿のまま現代に生き続けている。

【1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R Vol.2】

【1】から続く

 最強エンジンに合わせて、シャシーも専用チューニング。サスペンションは大径φ22mmのスタビライザーをフロントに採用するとともに、前後とも減衰力をアップして強化した。このほか、クラッチディスクの大容量化やシンクロ性能のアップ、等長ドライブシャフトの採用など、とにかく規格外の内容が満載だったのだ。

 さらに最上級のRS‐Rは駆動方式もひと味違う。フルタイム4WDにビスカス・カップリング式を採用したのだ。これはフロントの駆動力が路面に伝わらない時、自動的にリアへ駆動力を分配するシステムで、当時は4WDの機構の可能性をメーカー各社が探っていた時期で、市販車での採用はまだ少数。そんななか軽自動車に投入されたのだから、大きな話題を集めるのは必然だった。

>>【画像19枚】タコメーターは1万2000回転まで刻まれ、レッドゾーンは9500回転から。バイクのような高回転エンジンを物語っている回転数など



>> 「RS WORKS」のロゴ入りステアリングはφ365mmの小径タイプ。内装もかぎりなく100%に近い純正オリジナル状態で仕上げている。





>> メーターフード左側に設置される空調操作スイッチ。6パターンもの組み合わせをダイヤルで選択できる。エアコンはオプション。





>> 左右非対称で特徴的なデザインのバケットシート。前期モデルは写真のブラック×ピンクが標準で(RS-S除く)、後期はブラック×シルバーグレーとなる。


1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R(CC72V)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3195×1395×1405
ホイールベース(mm) 2175
トレッド前/後(mm) 1230 / 1200
車両重量(kg) 650
エンジン型式 F5A型
エンジン種類 直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 543
ボア×ストローク(mm) 62.0×60.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps / rpm) 64 / 7500
最大トルク(kg-m / rpm) 7.3 / 4000
変速比 1速 3.818 / 2速 2.277 / 3速 1.521 /
4速 1.030 / 5速 0.903 / 後退 4.000
最終減速比 5.133
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前 ストラット
       後 I.T.L(アイソレーティッド・トレーリング・リンク)
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 145 / 65R13(前後とも)
発売当時価格 109万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 11月号 vol.32
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 スズキ アルト ツインカムターボ ワークス フルタイム4WD RS-R(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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