トヨタ勢の反撃。唯一メーカー同士の対決となった3クラス|量産車の性能で戦う「ハコ」グループAの時代【3-4】

EG6 無限出光シビックとスーパーストラットを装備するAE101勢

【国内モータースポーツの隆盛 第12回 量産車の性能で戦う「ハコ」グループAの時代[3]vol.4】

89年はトヨタ勢が反撃。主役になったのは土屋エンジニアリングが走らせたアドバンカローラ(茂木和男/小幡栄)。全6戦中で2勝を挙げ、勝ち星が割れたシビック勢の間隙を突くかたちでタイトルを獲得。アドバンカローラは翌90年も安定した力を発揮。鈴木恵一/新田守男組(3勝)が3クラスのタイトルを勝ち獲っていた。

ホンダは90年の開幕戦からEF9(B16A型)を投入。VTECの開発、トヨタ勢とのつば競り合いから急ピッチで性能は向上し、最終的には230psを超すレベルに達していた。シビックはさらに進化を遂げ、92年後半戦からEG6が登場。

一方のトヨタも、91年最終戦に20バルブ4A-G型、スーパーストラットを持つ新型AE101を投入。市販車用というよりグループA対策と思える内容でシビック勢に対抗した。

91〜93年は再びシビック勢がタイトルを奪取。91、92年は中子/岡田組の無限が意地を見せる2年連続の冠タイトル、93年は無限を抑えたJACCSシビックの服部尚貴/金石勝智組が有終の美を飾った。

3クラスは、唯一メーカー同士が対決したクラスとして、その激烈な戦いぶりが、レースをよく知るファン層に注目され、グループAもうひとつの見どころとなっていた。

【画像16枚】89年には、勝ち星が割れたシビック勢の隙間をつき、トヨタ勢が反撃を見せた


>>91年、トヨタ勢はJTC第4世代となるAE101カローラレビンを投入。20バルブ、スーパーストラットと特殊メカを備えたが無限シビックには勝てず。


>>EF9シビックの有力チームとなる服部尚貴/五藤久豊組のJACCSシビックと佐藤浩二/中谷明彦組のPIAAシビック(中嶋企画)。


>>表彰台中央が指定席のようになった無限出光シビックの中子修(左)と岡田秀樹。左の2位表彰台に立つのは、翌93年のチャンピオンとなる服部尚貴と金石勝智。



【1】【2】【3】【4】から続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

国内モータースポーツの隆盛 第12回 量産車の性能で戦う「ハコ」グループAの時代 3(全4記事)

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text/photo:Akihiko Ouchi / 大内明彦

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