ターボRS-X購入を決断したオーナーは当時まだ高校生。その時、父親は?|R30スカイラインと2組のオーナー親子【3】

ヤレが隠せない外装だが、コツコツ直していくというオーナー

自分が親だったら、子どもが自分と同じものを好きになってくれたら、どれほど楽しいだろうか。逆に子どもだったら、親があこがれたものを共有して認めてくれたら、これほどうれしいことはないだろう。どんどん年齢層が上がっているハチマル車の世界に、突如現れた期待のルーキーが2人。DR30に乗る彼らはクルマ好きにとって、そんな最高の親子関係を築いているのだった。

【R30と2組のオーナー親子 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X/日産 スカイライン HT 2000 RS vol.3】

「ターボRS-Xのオーナーには、小さい頃から写真を見せたり、ミニカーで遊ばせたりして、DR30のカッコ良さを伝えていました」とオーナーの父親。そんな幼少時代を過ごしたターボRS-Xのオーナーにとって、DR30にあこがれ、いつか乗りたいと思うことは必然だ。とはいえ、個体が見つからなければ乗ることはできないのだが、ターボRS-Xのオーナーの強い願いが届いたのか、近所の中古車店に「たまたま」DR30が並んだ。間近で実車を見るのは初めてだったターボRS-Xのオーナーは、迷うことなく購入を決断した。

 しかし、それを父親は心の底から応援できないでいた。「若い頃にDR30で苦労したことを思い出して。1週間くらい眠れなかったですよ」と父親。じつはその時、ターボRS-Xのオーナーはまだ高校生。それも悩みの種だったが、ついに父親も購入を認めた。じつは白の鉄仮面は20代の頃に乗っていたものと同じ。これも運命だったに違いない。

 約2年半前に手に入れた念願のDR30だが、お世辞にもコンディションがいいとは言えない状態だ。「見ての通り内装がボロボロだったりしますが、いいんです。もう30年も前のクルマですから、ヤレた感じというか雰囲気を大事にしたいです。キレイにするのはコツコツやっていきます」とターボRS-Xのオーナー。アルバイトでお金を貯めながら、当時物パーツを揃えていきたいそうだ。

 そんなターボRS-Xのオーナーを見守る父親は、「意外と頑固なところがあって、決めたことは曲げないんですよ。若いから私のクルマ仲間からも可愛がられて『こんなパーツあるよ』って言われても断わっちゃうし。まぁ、とにかく楽しんでもらえれば」と話す。その一方、ターボRS-Xのオーナーに触発されて、父親もまたDR30に乗りたくなっている。DR30親子の誕生は近い!?

【画像18枚】幼いころからDR30のミニカーや写真をみて育ったという若きオーナーの愛車。見た目に反してエンジン自体は快調な、塗装がはがれたヘッドカバーなど、時代を感じさせるエンジンルームなど



>>ターボRS-Xのオーナーと父親。



【1】【2】から続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X/日産 スカイライン HT 2000 RS(全3記事)

関連記事:DR30

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Makoto Inoue/井上 誠

RECOMMENDED

RELATED

RANKING