「鉄仮面、乗っていいよ」大切なRSに傷をつけたくない息子のとった行動|R30スカイラインと2組のオーナー親子【2】

検討したなかでベストを選んだRS

自分が親だったら、子どもが自分と同じものを好きになってくれたら、どれほど楽しいだろうか。逆に子どもだったら、親があこがれたものを共有して認めてくれたら、これほどうれしいことはないだろう。どんどん年齢層が上がっているハチマル車の世界に、突如現れた期待のルーキーが2人。DR30に乗る彼らはクルマ好きにとって、そんな最高の親子関係を築いているのだった。

【R30と2組のオーナー親子 日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X/日産 スカイライン HT 2000 RS vol.2】

 RSのオーナーが生まれたのは平成に入ってから。その時にはすでに、家のガレージにDR30が収まっていた。19年間、DR30と過ごしてきたRSのオーナーにとって、そのクルマは家族同然だったのだ。

「父は新車で購入した鉄仮面のターボRSをとても大切に乗っていて、それを幼い頃から見てきました。免許を取って自分のクルマが欲しくなった時、まずは安い軽自動車でも……と思ったのですが、そんな父の姿を見ていたので、自分もDR30が欲しくなったんです」とRSのオーナーは話す。

 その気持ちを父親に伝えたところ、「鉄仮面、乗っていいよ」とひと言。しかし、「大切にしている鉄仮面をキズ付けてしまったら……」と思い、RSのオーナーは自分のDR30を購入することを決めた。

 純一さんも手伝って、RSのオーナーのDR30探しがスタート。希望は父親と同じ鉄仮面(もしくは西部警察と同じ前期ドアミラー)。だが、コンディションを最優先して予算に見合う個体がこの前期RSだった。

「細部までオールペイントされてとてもキレイでした」とRSのオーナー。ただ、購入後にブレーキなどに小さなトラブルが出たため、父親が昔から懇意にしているユーティリタスに持ち込んで、不具合個所を解消。購入から1年ほどしかたっていないが、着実にステップアップしている。「ノーマルを基本にずっと大事にしていきたいです」とRSのオーナーは話す。

 一方、父親は前述のように鉄仮面を所有しているが、じつはず〜っと前期の赤×黒RSにあこがれていたそうだ。そう、まさにRSのオーナーが購入した個体だ。つまり、親子はお互いのクルマでお互いの希望を満たして支え合っている。DR30という強い絆で結ばれた最高の親子関係だ。

【画像18枚】ステアリングも含めオリジナルを保っているインパネ回りなど。ダッシュボードの割れもないなどコンディションの良さを物語っている



>>RSのオーナーと父親。

【3】へ続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日産 スカイライン HT 2000 ターボ インタークーラーRS-X/日産 スカイライン HT 2000 RS(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Makoto Inoue/井上 誠

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