「ゼロ作戦」で狙ったパワーウェイトレシオは? 徹底的に軽量化されたFD3S|2001年式 マツダ RX-7 タイプR【1】

5型で採用した大きな開口部を持つ新形状のフロントバンパーは、ルックスだけでなく冷却性も向上。大型のリップスポイラーもレーシー

       
【孤高のロータリーエンジン 2001年式 マツダ RX-7 タイプR vol.1】

 大ヒットとなったFC3Sのあとを受けて1991年にデビューしたのが、「FD3S」の愛称で知られる3代目RX-7だ。FD3Sはマツダの新たな販売チャネルとなった「アンフィニ」の冠がつけられ、「アンフィニ・RX-7」の名でデビューした。抑揚のついたグラマラスなフォルムは、全幅が拡大されて初の3ナンバー専用ボディを採用。ただし、全長、全高、ホイールベースを短縮し、運動性能の向上が図られた。

 また、パワーウエイトレシオ5.0kg/psを下回ることを目標にした「ゼロ作戦」と名付けられた軽量化を実施。バネ下重量軽減のためにサスペンションはオールアルミとし、ボディの大きな荷重がかからない部分は肉抜きをするなど、徹底的な軽量化が施されたのである。

 それに合わせてエンジンも大幅に進化した。搭載される13B-REW型は、2つのターボを組み合わせたシーケンシャルツインターボを採用。このシーケンシャルツインターボは、低速域では1基のタービンを回し、高速域では2基のタービンを回すというもの。これにより、ロータリーの弱点である低速域でのトルク不足を解消し、高速域では最大の魅力である伸びとハイパワーを両立。FC3Sより50 psもパワーアップしたエンジンと軽量なボディによって、目標を上回る4.9kg/psというパワーウエイトレシオを達成したのだ。

【画像18枚】タービンの改良などにより最終的に280psまでパワーアップした13B-REW型を搭載したエンジンルームなど。こうしてみると、フロントミッドシップレイアウトがよく分かる


>>大ヒットとなったFC3Sのあとを受けて1991年にデビューしたのが、「FD3S」の愛称で知られる3代目RX-7だ。


>>この丸型3連テールは4型から採用。1〜3型とはリアビューの印象も大きく異なる。


>>FD3Sのリアスポイラーは3種類あり、このウイングタイプは5/6型に装着される。両サイドのボルトでフラップの角度も調整できる本格的なものだ。



RX-7 タイプR(FD3S)


全長×全幅×全高(mm) 4285×1760×1230
ホイールベース(mm)  2425
トレッド(mm) 1460(前後とも)
車両重量(kg)  1260
エンジン型式  13B-REW型
エンジン種類 2ローター・ロータリーツインターボ
総排気量(cc) 654×2
圧縮比9.0:1
最高出力(ps/rpm) 280/6500
最大トルク(kg-m/rpm) 32.0/5000
燃料タンク(L) 76
変速比 1速3.483/2速2.015/3速1.391/
4速1.000/5速0.806/後退3.288
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R16(前後とも)
発売当時価格 354.8万円



【2】へ続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

2001年式 マツダ RX-7 タイプR (全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) cooperation MAZDA/マツダ

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