サーキットの狼世代へ|フェラーリの女豹こと「田原ミカ」が操ったクルマ。コンパクトさを活かし、一時はトップに!|1976年式 フェラーリ 308GTB【3】

ステアリングはMOMOのレザー巻きを装着する

       
【2】から続く

【サーキットの狼世代へ 1976年式 フェラーリ 308GTB vol.3】

「サーキットの狼」の作中では、フェラーリの女豹こと田原ミカが308GTBに乗って流石島レースに参戦。フェラーリの女豹は、このレースのみのキャラクターだが、その美貌と男勝りの走り、そしてフェアさを重んじる精神により、高い人気を得ている。

 レースでは、開始当初から風吹裕矢のヤタベRSをマーク。飛鳥ミノルのミウラも含め、3台連なって下位から追い上げた。風吹の走りによって団子状態になったマシンの間を、308GTBのコンパクトな車体を生かしてすり抜けていくなど、俊敏な動きを見せている。 

 レース中盤には、雨が降り始めるのを先読みし、1周早くレインタイヤに交換。1周およそ30kmと非常に長い流石島のコースのため、レインタイヤに交換できないライバルたちを尻目に、ダントツの1位となった早瀬佐近に続く2位グループを形成。さらに終盤には、パワーに勝るパンテーラとの争いを、コンパクトさとテクニックで制してトップに立つほどの活躍を見せた。

【画像20枚】「フェラーリの女豹」こと田原ミカがコンパクトさとテクニックを武器に操った一台


>>総アルミ軽合金で作られているV型8気筒DOHCエンジン。のちにモータースポーツの現場でも活躍する名機である。キャブレターはツインチョークのウエーバー製40DCNFキャブレターを搭載するが、Vバンクの中央に位置しているため写真からはよく見えない。本国などではオプションとして、ハイコンプレッションピストンとハイリフトカムのセットなども用意されていた。


>>タコメーターは7000rpmからイエローゾーン、7700rpmからレッドゾーンに突入する。スピードメーターとの間には、水温計、油圧計、燃料計が並ぶ。


>>シートや内装の各所にはコノリー社製のレザーを使用するなど、シンプルながら高級感のあるインテリア。



サーキットの狼Story/風吹とのフェアな戦いを望み自らが犠牲となる

一時はトップに立ったフェラーリの女豹と308GTBだが、雨が止んだことで風吹とピーターソンに追いつかれ、うず潮バンクに差し掛かる。そこでピーターソンが風吹をバンクから飛び出させようとプッシュしたため、女豹は風吹を守ろうとブロックし、代わりに弾き飛ばされ、大クラッシュしてしまう。308GTBは炎上し、女豹もコックピットから脱出することはできなかった。





1976年式 フェラーリ 308GTB

全長×車幅×全高4230×1720×112mm
ホイールベース234mm
トレッド 前/後146mm/146mm
車輌重量1090kg
エンジン水冷90度V型8気筒DOHC 横置きミッドシップ
総排気量2926cc
最高出力255PS/7000rpm
最大トルク30.0kg-m/5000rpm
生産年1975〜1985年
生産台数712台(FRPモデルのみ)
生産国イタリア

※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。



初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


サーキットの狼世代へ 1976年式 フェラーリ 308GTB(全3記事)


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【3】に続く

photo: Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) Cooperation : 池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

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