サーキットの狼世代へ|架装はスカリエッティが担当。FRP製ボディを持つ初期モデル|フェラーリ 308GTB【2】

エンジンフードは複雑な形状で、ピラーの後ろから大きく開く作りになっている。リアウインドーの左右をフィン状のサイドパネルが挟む構造は、ディノ246GTにも通じるデザインだ

       
【1】から続く

【サーキットの狼世代へ 1976年式 フェラーリ 308GTB vol.2】

 架装は当時すでにフェラーリ傘下に入っていたスカリエッティが担当。ボディの素材は、当時の国内事情によりスチールの生産が滞っていたため、同社初となるFRP製のボディが製造されることになった(フロントのトランクリッドはアルミ製)。

 その後、77年6月にはボディをスチール製に変更している。同じ年の秋にはフランクフルト・モーターショーでタルガトップの308GTSが発表された。81年にはインジェクション化されて308GTBi/GTSiに進化する。が、パワーダウンは否めなかったため、83年には4バルブの308クワトロヴァルヴォーレにマイナーチェンジしている。

 扱いやすいサイズと美しいスタイルから非常に人気が高く、およそ10年間のモデルライフで1万2000台ほどが生産されるという大ヒットモデルとなった。「サーキットの狼ミュージアム」に収蔵されている個体は、FRP製ボディを持つ76年式の初期モデル。

【画像20枚】扱いやすいサイズと美しいスタイルから人気を博し、大ヒットモデルとなった



>>ディノGTをうまくモディファイし、当時最新のデザインに落とし込んでいることが分かる。


>>フロントのスペースはそのほとんどをスペアタイヤが占めているため、荷物は最低限しか積み込めない。


1976年式 フェラーリ 308GTB

全長×車幅×全高4230×1720×112mm
ホイールベース234mm
トレッド 前/後146mm/146mm
車輌重量109kg
エンジン水冷90度V型8気筒DOHC 横置きミッドシップ
総排気量2926cc
最高出力255PS/7000rpm
最大トルク30.0kg-m/5000rpm
生産年1975〜1985年
生産台数712台(FRPモデルのみ)
生産国イタリア

※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


初出:ノスタルジックヒーロー 2018年 12月号 Vol.190

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


サーキットの狼世代へ 1976年式 フェラーリ 308GTB(全3記事)


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【3】に続く

photo: Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) Cooperation : 池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

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