BMW 3.0CSL【3】隼人ピーターソンが駆った流石島レース|サーキットの狼世代へ

総生産台数は、126 5台。このうちイギリス仕様は500台。全体の40%が右ハンドル車で当時のイギリス市場の大きさがうかがえる。

       
【2】から続く

【サーキットの狼世代へ 1972年式 BMW 3.0CSL vol.3】

T・ヘゼマン/D・ケスター組の3.0CSLは、この年のETCタイトルを獲得。翌74年はディビジョン1のフォードがタイトルを獲得するが、75年には再び3.0CSLがメイクスタイトルを獲得している。

なお、この年は北米のIMSA‐GTチャンピオンシップにも出走し、ロニー・ピーターソン、ブライアン・レッドマン、サム・ポージーらが勝ち星を積み上げる快走を見せていた。

3.0CSLは、ツーリングカーの老舗を自負するBNWが力を傾注した車両で、期待どおりにETCを制覇。強力なエンジンと優れたハンドリング性能でフォード・カプリとやり合ったが、次期モデルとなるE24系6シリーズは、サーキットレースでの主力にはなり得ず、その座を3/5シリーズに譲っていた。

【画像19枚】作中で主人公たちを追い詰めた一台は、ツーリングカーの老舗を自負するBNWが力を傾注した車両だ!


>>メーターパネルのレイアウトは、右から時計、スピードメーター、タコメーター、水温計となる。このあたりはE9系に準じたデザインだ。


>>シフトノブはウッド製。頭に白/青のBMWマークが貼り付けられている。競技ベース車ながらロードカーとしての質感が確保されている。


>>前席はノンリクライニングのバケットシートを装備している。


サーキットの狼Story/悪質なドライビングによって風吹裕矢たちを苦しめる

隼人ピーターソンがトヨタ2000GTから乗り換えたのがBMW 3.0CSL。流石島レースでのピーターソンは、風吹のヤタベRSをコース外に押し出すなど悪質な妨害を繰り返し、風吹をかばったフェラーリの女豹を死に至らしめる。そして風吹と生きるか死ぬかのバトルを繰り広げ、最終的に火山地帯でクラッシュした。妨害だけでなく、真っ当なドライビングでも3.0CSLを見事に操り、クルマの高いポテンシャルを見せつけた。





1972年式 BMW 3.0CSL

全長×車幅×全高4630×1730×1370mm
ホイールベース2625mm
トレッド 前/後1446mm/1402mm
車輌重量1270kg
エンジン水冷直列6気筒SOHC フロントエンジン
総排気量3003cc
最高出力200ps/5500rpm
最大トルク27.7kg-m/4300rpm
生産年1971〜1975年
生産台数1265台
生産国ドイツ

※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


サーキットの狼世代へ 1972年式 BMW 3.0CSL(全3記事)


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【1】【2】から続く

text:Akihiko Ouchi/大内明彦 photo: Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) Cooperation : 池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

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