宇宙飛行士も使用した腕時計。伝統的な意匠が息づく荘厳なただずまい|ブライトリング ナビタイマー コスモノート|ビンテージウォッチの奥深き世界

古くから「クロノグラフの雄」として名声を得るブライトリング。航空界と密接にかかわったその発展の歴史をひもときながら、名作ナビタイマー コスモノートを紹介する。

       
【ブライトリング ナビタイマー コスモノート|ビンテージウォッチの奥深き世界】

ブライトリングは腕時計の花形機構であるクロノグラフの製造に情熱を傾けてきたブランドだ。その歴史は航空界の発展とともにある。

同社は20世紀初頭のまだ航空黎明期であった1915年に、世界に先駆けて腕時計型クロノグラフを発表した。当時はまだコックピット内の装備が不十分だった時代である。パイロットたちは懐中時計サイズの大型クロノグラフを足元に付けて飛行ルートや燃料を算出していたのだが、それがこの画期的な製品のおかげで飛行プランの調整精度が飛躍的に向上した。

その後も1952年に回転計算尺を装備したナビタイマーを発表。回転計算尺とは燃料消費量や速度、1分あたりの航空距離といったパイロットが必要なデータを計算できる機能のこと。

電子工学に頼ることなく、回転ベゼルと文字盤の目盛りを活用することで算出できたため、これを世界中の飛行士がこぞって絶賛。不朽の名作として現在も同社の顔になっているほどである。

右に紹介したコスモノートは、そのナビタイマーの派生として1962年に誕生したモデル。暗闇でも地球の昼夜がわかるように24時間表示が付いた宇宙仕様で、実際にマーキュリー計画に参加した宇宙飛行士が使用したことでも知られる。

しかも当モデルはケースを金張りに加工した特別仕様だ。回転計算尺の伝統的な意匠が息づく荘厳なただずまいは、20代、30代の若造ならいざ知らず、人生の酸いも甘いも味わった読者諸兄の左腕としてぴったりの腕時計と言えよう。

【画像8枚】伝統的な意匠が息づく荘厳なたたずまいの一本は、宇宙飛行士が使用したことでも名高い。


>>金メッキを施して高級感を演出したステンレススチールケース。リューズ先端にはブランドロゴの頭文字が刻印されている。


>>CHRONOMAT[クロノマット]ブライトリングの傑作ロングセラーとして高い人気を誇るクロノマットの2代目。名門ヴィーナス社製のCal.175を搭載し、時間を計測できるクロノグラフ機能を備える。1960年代製。

>>TOP TIME[トップタイム]スクエアに近い樽形ケースが腕元で存在感を放つ1本。楕円形のインダイアルや、文字盤外周には脈拍を測れるパルスメーター目盛りなど珍しい意匠を備える。1960年代製。





スイートロード

ショーケースのなかにズラリと並べられたビンテージウオッチの在庫数は全国屈指の1200本以上。店内ではクラシックライターやパラゴトロンなどのレトロな掛け時計も扱う。



初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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photo:Takefumi Taniguchi/谷口岳史

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