飯田章のMS51クラウンHT再生Proj.【3-2】エンジン、足回りにメドがたったクラウンは次なるレストアへ|1970年式 トヨタ クラウン HT(MS51)

外装パーツを取り外された姿をリアから眺める。テールレンズ、ガーニッシュ、サイドの反射板、バンパー、エンブレム、アンテナなどが取り外され、それぞれ再メッキなどを行う。

       
【1】から続く

前回までで浮き彫りになったエンジン冷却系の問題点を、次々と解決していく飯田章さんとトップシークレットの永田和彦さん。連載3回目の今回はその結果報告と同時に、いよいよスタートするボディのレストアについてリポート。

【飯田章のMS51クラウン再生プロジェクト 3-2 1970年式 トヨタ クラウン HT】

また、ウオーターポンプとラジエーターファンのカップリングが固着していた件は、固着部分を熱してプレス機で押し、力ずくで引きはがすことに成功した。そして、新しいウオーターポンプに交換すると同時に、ちょっとゆがんでいたプーリーをまっすぐに修正。ゆるくなってしまったカップリングファンの穴とウオーターポンプシャフトの固定は、圧入のほかにイモネジも使ってより強固なものにしている。

こうしてエンジン、足回りにメドがたち、内装の掃除も終わった8月上旬、クラウンはトップシークレットの板金塗装部門「トップシークレットⅡ ボディワークス」へと運ばれ、ボディ関係のレストアがスタートすることになった。

【画像24枚】助手席側のドアハンドルを外したところから、ドアハンドルを固定するためのステーが奥側に見える。ここに残っている色は、退色していない純正のボディカラー(シャンティゴールドメタリック)だと思われる。塗装の際は、この色を参考に調色する予定



>>フロントエプロンの凹みは、「牽引フックじゃないのに、ロープをかけて引っ張ったんだろうなぁ……」と想像する飯田さん(右)。レストア作業は、過去の物語を想像する作業でもある。


>>おそらくレストアにおける最難関と思われる、助手席側のサイドシル。もともと水抜きの穴があって錆びやすかったことに加え、モールがあって水が溜まりやすい。さらに運悪く、ちょうど助手席側が雨にあたる位置で保管されていたと推測。腐ったところを切って、鉄板を張っていくしかなさそうだ。


>>助手席側の腐食具合を確認する2人。ちょっと心配そう。



【3】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

飯田章のMS51クラウン再生プロジェクト vol.03 1970年式 クラウン HT(MS51)(全3記事)

関連記事:飯田章のMS51クラウン再生プロジェクト

text Akio Sato/佐藤昭夫 Photo: Ryota Sato/佐藤亮太 Cooperation; Top Secret/トップシークレット

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