ATからMTへ乗り換え。予定していたエンジン音確認をするまでもなく購入を決めてしまった2000GT|1970年式 トヨタ2000GT(MF10)【1】

リトラクタブルヘッドライトも快調に作動する。ボディはボンネットとルーフ、トランクの塗装のみ修復。その他に手を加えた部分はない。

       
1台目は後期型の1号車となるATモデル。そして2台目は桶谷博士に愛され、マツダコレクションに収蔵されたことのある由緒正しき1台。一度でも付き合うことができれば幸運な2000GTと、二度も付き合う幸福なオーナーの旧車ライフを紹介しよう。

【1970年式 トヨタ2000GT(MF10)vol.1】

 美しく磨かれた走行距離の少ない旧車が、突然故障することもあれば、ある程度距離が延びた旧車でも大きなトラブル知らずという場合もある。オドメーターが刻んだ距離は、コンディションを推測するデータにはなっても故障する確率を示すものではない。スポーツモデルで、複数のオーナー歴がある旧車となればなおさらだ。

 三重県松阪市で銘木店を営むオーナーが、このトヨタ2000GTを手に入れたのは今から16年ほど前のこと。布引さんにとって人生2台目となる2000GTで、それまで10年ほど付き合ったAT仕様から、念願のMT車への乗り換えだった。偶然にも売りに出ていたのは1台目を購入した岐阜県のオートガレージモトヤマ。信頼は置けたが、10万㎞をはるかに超えていた走行距離に、ほんの少し不安を覚えた。

 そこで、メカや旧車に詳しい友人2人を伴って出向き、現車確認を行うことにした。ところがその当日、2人に依頼したエンジン音を確認する前に、ドアの開閉音の良さにオーナーはノックダウン。エンジンを始動することなく購入を決めてしまった。

【画像22枚】あまりのドアの開閉音の良さに、エンジン音を聞くまでもなくオーナーはノックダウンさせられてしまった2000GT


>>依頼したエンジン音を確認する前に、ドアの開閉音の良さに布引さんはノックダウン。エンジンを始動することなく購入を決めてしまった。


>>センターロックのホイールは、回転方向指定のあるトヨタ純正のマグネシウムホイール。フロントブレーキはジャガーEタイプの部品を使い整備されている。


>>純正のデュアル出しキャプトンタイプのマフラーもしっかりメンテナンスされ、輝きとサウンドが保たれている。


1970年式 トヨタ 2000 GT(MF10)

全長4175mm
全幅1600mm
全高1170mm
ホイールベース2330mm
トレッド前/後1300/1300mm
最低地上高155mm
室内長770mm
室内幅1430mm
室内高950mm
車両重量1145kg
乗車定員2名
最高速度215km/h
0→400m加速15.9秒
登坂能力sinθ0.552
最小回転半径5.0m
エンジン型式3M型
エンジン種類水冷直列6気筒DOHC
総排気量1988cc
ボア×ストローク75.0×75.0mm
圧縮比8.4:1
最高出力150ps/6600rpm
最大トルク18.0㎏-m/5000rpm
トランスミッション型式前進5段後退1段、オールシンクロ
変速比1速3.074/2速1.838/3速1.256/4速1.000/5速/0.866/後退3.168
最終減速比4.375
燃料タンク容量60L
ステアリング形式ラック&ピニオン(15.1)
サスペンション前後ともダブルウイッシュボーン
ブレーキ前後ともディスク
ホイール前後ともマグネシウム(5J)
タイヤ前後とも165HR-15
発売当時価格238.55万円


【2】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 トヨタ 2000 GT(MF10)(全3記事)

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text:Isao Katsumori(Zoo)/勝森勇夫(ズー) photo:Ryota-Raw Shimizu(Foxx Bookes)/ 清水良太郎(フォックス ブックス)

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