フロント215/55R15、リアには270/45R15! ハコスカとTB15のマッチングやいかに?|松田次生のエンジョイハコスカGT-Rライフ vol.1【後編】

TB15を前後に装着したことで、当時のGT-Rらしい雰囲気に。今風の引っ張りタイヤにはない、ややムッチリしたタイヤのため、クラシカルなクルマに似合う。真夏はもちろん、冬場も変わらずソフトな乗り味で、しっとりとした走りを堪能できると松田さんも大満足。

       
【2】から続く

2023年鈴鹿サーキットで行なわれたSUPER GT 第3戦で大事故に見舞われた23号車MOTUL AUTECH Zの松田次生選手。両脚大腿の付け根部分に筋断裂がみられ、その後車椅子生活からリハビリを経て、2ヶ月後の第4戦富士にて見事レース復帰を果たした。そんな松田次生選手のプライベートを収録したノスタルジックヒーローの不定期連載をピックアップしていく。



国内レースの最高峰のスーパーGTでは、NISMOのエースナンバー23号車を駆るワークスドライバー。プライベートでは、R32からR35までのGT-Rを所有するマニア(収録当時)。「最強のGT-R使いにして、最高のGT-Rオタク」と呼ばれるのが、レーシングドライバーの松田次生選手だ。そして2017年、ついに念願のハコスカGT-Rを手に入れた。そんなデイープな彼の旧車ライフを 紹介していくこの不定期連載企画。記念すべき2018年10月号掲載の第1回目は、相棒の足元に履くミシュランタイヤTB15に注目。

【松田次生のエンジョイ!ハコスカGT-Rライフ vol.1 後編】

松田さんのハコスカGT-Rに装着されたのは、70〜80年代に使用されていたラリー用タイヤの復刻版となるTB15。フロントに18/60‐15(215/55R15)、リアに23/62‐15(270/45R15)という極太サイズを収めた。

「見た目の印象はかなり変わりました。タイヤが太く、そして厚みが増したことで、迫力が増したと思います。クラシカルな雰囲気なのが気に入っています。現代のタイヤにはないシンプルなトレッドパターンも好きですね」

では、性能面はどうか? 見た目が渋くまとまっていても、走りのよさがスポイルされるようでは本末転倒だ。「タイヤの厚みがあるので路面のギャップもうまく吸収してくれます。乗り心地もいいですね。箱根のワインディングも走ってみましたが、コンパウンドが柔らかいこともあって想像以上のグリップ性能を発揮してくれました。あたりは柔らかめですが、しっかりと路面をつかんでくれる印象です」と、TB15の性能も大いに満足している。

クルマのなかで唯一、路面と接しているタイヤは、接地面積はわずかハガキ1枚分ともいわれる。卓越したドライビングスキルを持つ彼が、タイヤにこだわるのは当然のこと。クラシックカー専用ならではのスタイルとその走り。ミシュランTB15を通じて、ハコスカGT-Rとの対話を楽しんでいることが伝わってきた。

当時のままの乗り味が楽しめるクラシックタイヤが歴史を紡ぐ

ミシュラン発祥の地であるフランスで、80年代に始まったクラシックタイヤ。戦前のクラシックカーに乗るオーナーズクラブから「昔のタイヤを復刻してほしい」と要望があり、それに応えたのがルーツだ。30年代のビードワイヤー付きタイヤやラジアルカーカス構造を持つXシリーズ、70年代のスーパーカーに装着されたXWXシリーズなど、歴史を紡いできたタイヤをラインナップしており、現在は100弱のアイテム数を誇る。コンパウンドや構造などは現代の技術を生かし、それぞれの時代のクルマに合わせて最適化。トレッドパターンやタイヤサイズ、偏平率は当時のまま再現している。歴史と伝統を重んじるミシュランならではのサービスだ。


【画像16枚】TB15は昔ながらのシンプルなパターン。ただし、素材やコンパウンド、構造については、現代の技術で仕上げられている。グリップだけを追求するのではなく、時代に合わせた性能を与えているのも特徴



>>「オリジナルを尊重しながらクルマを仕上げたい」と話す松田さん。彼の元に来た時は外されていた5SPEEDのエンブレムは72年式の純正品。「プリンスガレージかとり」の香取 孝社長から譲り受けたとか。


>>日本ミシュランを表敬訪問した松田次生さん。スタッフの皆さんと記念撮影をするなど、和気あいあいとした時間を過ごした。最後には、ビバンダムと同じポーズで!


>>「国産ライトウエイトスポーツ向けのタイヤもラインナップに加えていきたいと積極的に取り組んでいます。ぜひご期待ください」と日本ミシュランタイヤの鈴木義子さん。



松田次生  TSUGIO MATSUDA

2018シーズンは第2戦の富士で優勝。自身が持つスーパーGTの最多勝記録をさらに伸ばし、前人未到の通算20勝を達成した。まさに日本屈指のレーシングドライバーだ。その気さくな人柄にひかれるファンも多い。



【2】から続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

松田次生のエンジョイ!ハコスカGT-Rライフ vol.1(全3記事)

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photo:Motosuke Fujii(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) text:Daisuke Ishikawa/石川大輔 Cooperation:Micherin Japan/日本ミシュランタイヤ LOCATION:Shinjuku Park Tower/新宿パークタワー

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