「体が大きいのでピラーレスだと乗り降りがすごくラクなんです」ミニバンの源流としてのプレーリー|1987年式 日産 プレーリー 2000 4WD JW-G【3】

鹿児島で発見して2015年4月に購入した個体

       
【RVブームへの序曲となったクルマたち 1987年式 日産 プレーリー 2000 4WD JW-G   Vol.3】

【2】から続く

 まさに現代のミニバンのルーツといえるプロフィールを持っていたプレーリー。だが、当時はMPVやミニバンというジャンルがなかったため、キャッチコピーは「びっくりBOXY SEDAN」。現在では主流のミニバンだが、当時はあまりにも奇抜で時代を先取りしていたために、あまりユーザーに受け入れられなかったのも事実だ。

 そのため、今では超レアな初代プレーリー。今回の撮影車両のオーナーは「珍しさ」と「ブサイクな感じ」を狙ってチョイス。「ピラーレスが最高! しかも室内が広くて荷物も積めるし、なんと言っても気持ちが楽しくなります。いずれはUSDM仕様に仕上げたいですね」と語った。

>> 【画像20枚】オプション設定だったスライド&チルトアップが可能なサンルーフなど。サンルーフ付きだったことがこの個体を入手した理由のひとつとのこと



後期の搭載エンジンは1.5LのE15型、1.8LのCA18型、2.0LのCA20型の3種類で、いずれも大衆エンジン。1.5Lは8人乗りのみで4速コラムMT、1.8Lは5人乗りがフロアの5速MTと3速AT、8人乗りがコラムの4速MTと3速AT、2.0Lにはフロアの5速MTと4速ATが組み合わされる。





ピラーレススライドドアに、3列シートの新感覚セダン

OWNER’S VOICE

「屋根が高くてピラーが立っているカクカクしたクルマが好きなんです」というオーナー。プレーリーには子どもの頃に乗った記憶もあるそうで、「今では本当に見ないですよね。その珍しさもいいです」とのこと。また、「体が大きいのでピラーレスだと乗り降りがすごくラクなんです」とオーナー。この個体は2.0L・4WDの5速MTでサンルーフ付きという希望どおりの内容で、鹿児島で発見して2015年4月に購入。事前に北米からパーツを入手するとともに、部品取り車も確保して準備万端。そこから1年、中村車輌製作所やヨシボディーに協力を得ながら、コツコツ仕上げてきたそうだ。




1987年式 プレーリー 2000 4WD JW-G (HNM10)

SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4230×1665×1675
ホイールベース(mm) 2525
トレッド前/後(mm) 1430  /  1375
車両重量(kg) 1330
エンジン型式 CA20型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1973
ボア×ストローク(mm) 84.5×88.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 91 / 5200
最大トルク(kg-m / rpm) 14.8 / 2800
変速比 1速 3.714 / 2速 2.095 / 3速 1.272
4速 0.954 / 5速 0.740 / 後退 3.428
最終減速比 4.471
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク
リーディングトレーリング
タイヤ 185 / 70SR14(前後とも)
発売当時価格 197.0万円


初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 日産 プレーリー 2000 4WD JW-G  (全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : AKIO HIRANO/平野 陽

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