ハコスカRのために。あらかじめ全予算を提示、その範囲で最高の仕事をしてもらう|THE MANIAX GARAGE / 1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R【1】

GT-Rの格納とメンテナンスのために、リフト付きのガレージハウスを新築!

       
ただのクルマ好きか、それともマニアか。クルマへの情熱度は、ガレージを見れば一目瞭然。というわけで、旧車オーナーのプライベートガレージを探訪するこのコーナー。第2回は、ハコスカR歴28年のマニアが、愛車のために建てたガレージハウス。誰も近寄らせないという秘密の棲家に侵入させていただいた。

【THE MANIAX GARAGE  1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R Vol.1】

 今回うかがったのは、近畿地方で「走るハコスカR乗り」として知られるオーナーが、愛車のために自宅の近くに建てたガレージハウスだ。
 オーナーのハコスカR歴はとにかく長く、初めて手に入れたのはなんと22歳の頃。免許取り立てのまだまだ青二才だった頃は、事故で廃車にしてしまった苦い経験もある。3台目となる現在のハコスカRとの付き合いだけでも、すでに15年を突破した。ちなみに、現相棒に搭載されているエンジンをはじめとする機関は、初代から載せ替えを繰り返して付き合ってきた思い出深いユニット。そのため、オーナーにとっては何が何でも盗られるわけにはいかない、唯一無二の存在だ。

 そんなかけがえのないハコスカRを、保管していた実家のガレージから、自宅の近くに持って来たかった。それが、このガレージを建てた動機だ。走りたくなったら、深夜でも走りに出かけられ、イジりたくなったら、いつでも、好きなだけ作業することができる。当初は、近所に土地だけを買ってコンテナだけを置くようなスタイルのガレージも考えたが、設置すると決めていた油圧リフトを使えるだけの高さがなく断念。さて、どうしたものか……。そこで力を貸してくれたのが、不動産関係で働く旧車仲間だ。持つべきものは、やはり友である。

 クルマのチューニングも、家の建築も同じ。信頼できる業者には、あらかじめ目一杯の全予算を提示して、その範囲で最高の仕事をしてもらうのがオーナー流だ。今回のガレージハウスの建築を、施工会社との間に立ってコーディネートしてくれたのは、旧車仲間。デザインや設計の希望は彼ら経由でいいたいほうだい。予算が足りず、外構などの作業は彼らがやってくれるという大サービスだった。必須のリフトの設置に、万全のセキュリティーシステムなど、オーナーんの希望が見事に反映されたガレージハウスは、竣工から半年をかけて2017年の秋に完成。以来、このガレージハウスに入り浸り。それどころか、「ほとんど自宅に帰っていませんわ」と笑う。

>> 【画像32枚】ガレージには、タイヤやスペアのS20型エンジンなどが。エンジンだけでもかなりなお宝。あこがれの油圧式リフトを完備、メンテナンスは腹下までキッチリできる




>> 設計・施工は「ステージホーム」に依頼した。ハコスカR以外に、ランドローバー・ディスカバリースポーツ、NAロードスター、そして普段の足のサンバーを所有し、駐車スペースに止めている。これもセキュリティーの一貫。





>> だれにも邪魔させない。ここはRと自分だけのプライベート空間





>> ハコスカRを格納する屋内にはパンタ式のカーリフトを設置。バンザイ社のイーグルリフトⅡだ。


【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT-R(全3記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/

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