「中間でエンジンが吹けない……」そして迎えたレース当日の見事なレース運び【2】OS TC24 Zが吠えた!!

ポールトゥフィニッシュという見事なレース運びだった

       
【OS TC24 Zが吠えた!! Vol.2】

【1】から続く

「中間でエンジンが吹けない……」

 ピットでは、キャブレターをはじめ各部の状態を確認。確かに、1番キャブレターから燃料がオーバーフローしていた。ジェットなどの分解洗浄を行い、コースへと送り出す。しかし、1周目でピットに戻り、症状は改善せず、プラグは真っ白な状態になっていた。チーフメカニックを務める富松拓也さんも、これには頭を抱えてしまう状況。
 点火系や燃料系など、疑われる部分をすべてチェックし修復を試みるも、走行枠の時間切れに。その後も原因を解明する作業が続けられ、なんとか好調に吹け上がる状態に回復。ただし、走行時間はなく、コースを走らせてのチェックは不可能。一抹の不安が残るまま、予選に挑むことになった。
 そして迎えたレース当日。前日の不調がウソのようにOS TC24Zは絶好調。路面温度が30℃に達する厳しい条件のなか、井入選手はたった1周の予選本気アタックで1分53秒63をマーク。見事ポールポジションを獲得した。
 ちなみに、メインストレートでは5速8200rpmまで回っており、計算では290km/hに到達。今時の空力パーツに頼らないストックボディでは、もはや危険ともいえる領域だ。
 そのため、決勝レースではストレートは全開ではなく、やや抑え気味に。また、2周目まではとにかく逃げて、その後は、後続車とのペースを見つつ、勝つために走るという作戦を立てた。

text:DAISUKEISHIKAWA/石川大輔 photo:RYOTA-RAWSHIMIZU(FOXXBOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

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