120ps/18.5kgm! スイッチひとつで切り替えることができる2ウェイターボモードシステム【2】1986年式 いすゞ FF ジェミニ 4ドア セダン イルムシャー

エンジン出力を2段階で切り替える2ウェイターボモードシステムのスイッチは、インパネ右側に設置

       
【 1986年式 いすゞ FF ジェミニ 4ドア セダン イルムシャー Vol.2】

【1】から続く

 ベーシックカーながらクオリティーにこだわったFFジェミニは、デビュー翌年にスポーティーモデルを追加。それがイルムシャーだ。ドイツのチューナーであるイルムシャー社が手がけたこのグレードは、エアロパーツを装着し、チューニングサスペンションや大径フロントベンチレーテッドディスクブレーキを装備。スポーティーな装いとコンパクトサイズならではの軽快な走りを実現した。

 そして、キーポイントとなっているのがエンジンだ。1.5L直列4気筒にターボをドッキングした4XC1型ターボは、冷却水を用いて効率よく冷やすことが可能な水冷ターボを採用し、総アルミ製で熱電導率に優れたインタークーラーも装着。さらに、排気効率を高めるため、エキゾーストパイプを自然吸気のφ38.1mmからφ54mmに拡大し、その結果120ps/18.5kgmのパワー&トルクを実現。加えて、パワフルな特性のハイモードと、扱いやすいフィーリングのローモードをスイッチひとつで切り替えることができる2ウェイターボモードシステムも搭載したのだ。このように、ターボでドーピングされたエンジンとアウトバーンで鍛えられたサスペンションにより、ライバルたちと互角のポテンシャルを発揮したイルムシャーは、モータースポーツベースとしても高い評価を受け、グループAレースや国内外のラリーシーンで活躍したのである。

>> 【画像16枚】冷却水を用いることで、クーリング効果を高めた水冷ターボなど



>> 単にターボを装着しただけでなく、吸気マニホールドを等長化し、空冷式インタークーラーを装備することで、クイックレスポンスとハイパワーを両立。出力をハイ/ローで切り替え可能な2ウェイターボモードシステムも採用する。





>> 独チューナーが手がけた、ターボ仕様のスポーツモデル



1986年式 いすゞ FF ジェミニ 4ドア セダン イルムシャー(JT150)


SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4035×1615×1365
ホイールベース(mm)  2400
トレッド前/後(mm) 1410 / 1390
車両重量(kg)  930
エンジン型式  4XC1型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1471
ボア×ストローク(mm) 77.0×79.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 120 / 5800(High)105 / 5400(Low)
最大トルク(kg-m / rpm) 18.5 / 3400(High)16.3 / 3400(Low)
変速比 1速 3.727 / 2速 2.043 / 3速 1.448 /
4速 1.027 / 5速 0.829 / 後退 3.583
最終減速比 3.450
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / コンパウンドクランク
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 185 / 60R14(前後とも)
発売当時価格 154.9万円

【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 7月号 vol.36
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 いすゞ FF ジェミニ 4ドア セダン イルムシャー(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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