「レースの日産」の面目躍如! 見よ! 日産のレーシングカーが持つ集客力【2】NISMOフェスティバル 2017

プログラムの中に組み込まれたヒストリックカーレース。当時の車両を現代の技術とパーツで仕上げているだけに、そのスピードたるや異次元に近い。初めて目にした人にはちょっとしたカルチャーショックだったろう

       
今回は「ハコ」が大集合。圧巻はヒストリックGT-Rに高橋、北野、長谷見が搭乗

【イベント振り返り2017 NISMOフェスティバル Vol.2】

【1】から続く

 サプライズと言えば、久しぶりに高橋国光が参加。GT-Rの国光と呼ばれ、1970年には全日本ドライバー選手権のTⅡ部門をセダンGT-Rで5戦5勝のパーフェクトチャンピオン、さらに1972年の富士300キロレースでは、栄光の50勝目をもたらしたことはあまりに有名だ。

 その高橋国光、今回はKPGC110 GT-Rレーシングコンセプトモデルを託された。1972年の東京モーターショーにイメージモデルとして出展された車両だが、当時ノーマルだったエンジンやキャビン内は、その後、日産名車再生クラブの手によりレース仕様に作り直された経緯のモデルだ。

 同クラブと言えば、毎年1台ずつ完動状態のレストアを行ない、ニスモフェスでお披露目するのが恒例で、今回はHR31スカイラインGTS-RのグループA仕様車(1988年ETC=ヨーロッパ・ツーリングカー選手権仕様車)をきれいに復元して持ち込んできた。NME(ニスモ・ヨーロッパ)が翌年から始めるグループCカー活動の準備段階として走らせた車両だ。

 この車両、実を言うと日本国内を走ったグループA車両とは異なる仕様で、復元にあたってこのあたりをどう対応するかが気になっていたのだが、基本的には現存する1989年のリーボック車に準じたという。

 それにしても、これだけの車両が揃うと当然ながらファンも詰めかける。パドックは人で埋め尽くされた状態となり、移動するにも人混みをかき分けてとひと苦労。これだけのファンを魅了してしまうのだから、日産のレーシングカーが持つ集客力(?)は恐るべし。さすがに「レースの日産」と言われただけのことはある。


>>【画像34枚】2017年の日産名車再生クラブのレストア車両となった1988年ETC仕様のHR31スカイラインGTS-Rなども走行



>> 110サニーも健在。軽量コンパクトな分だけ速い。リーフリジッドのリアサスの動きに合わせた走らせ方があるという。





>> 最近、ヒストリックカーレースで勢力拡大中の510ブルーバード。BMWに匹敵するシャシーメカを持つだけに潜在能力は高い。




>> 調整が難しいと言われるS20型エンジン搭載のフェアレディZ432。うまくチューンして快走する姿を見るとうれしくなる。


初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

NISMOフェスティバル 2017年11月26日(全2記事)

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【1】から続く

text:AKIHIKO OUCHI/大内明彦 photo:AKIHIKO OUCHI/大内明彦、NOSTALGIC HERO/編集部

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