1年かけてフルレストアされたケンメリR「70歳まで乗って、後は妻に譲ります」【3】1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

購入後、すぐ塗装を全剥離。フルレストアを施し、再び全塗装した幻色のボディ。ちなみにケンメリGT-Rの赤は、C130ローレルの赤と同じ色らしい

       
プリンスS54、PGC10、KPGC110、DR30、R31、R32GT-Rなど歴代スカイラインを収集。
その後、1台、また1台と手放す中、オーナーが唯一手元に残した真っ赤なケンメリGT-R。
どのクルマも手塩にかけたが、ケンメリGT-Rは奥さまもお気に入りのクルマだ。

【 1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.3】

【2】から続く



 購入後、いったんペイントをすべて剥ぎ、まる1年をかけてフルレストアを施している。ケンメリGT‐Rの赤の色番を探りあて、再びオールペイントで幻の色に仕上げたのだ。もちろん、メッキや樹脂部も、その時にすべて再塗装している。しかも、当時の雰囲気を漂わせる自然な仕上がり感にもこだわった。そして、今も中オーナーは赤色ならではの華のある状態を保つために、機関だけでなくボディや塗装のメンテナンスもけっしておこたらない。

「イベントに出かけても、やっぱり赤はよく目立ち、よく声もかけられます。若い気持ちにしてくれるという点でも、自分には価値のあるクルマです」

>> 【画像20枚】シートは光沢感が状態の良さを物語る純正のバケットシートだ。リアシート、ドアの内張り、そして天井までくたびれたイメージは一切ない




>> ほぼオリジナルの状態のインテリア。コクピットまわりでは、ステアリングのみダッツンコンペに交換。センターコンソールのナビゲーションは、簡易装着のポータブルタイプだ。





>> シートは純正のバケットシートだ。光沢感が状態の良さを物語る。リアシート、ドアの内張り、そして天井までくたびれたイメージは一切ない。



OWNER’S VOICE/70歳まで乗って、後は妻に譲ります(笑)



 国産、輸入車を問わず、これまで手塩にかけて復活させた旧車は数え切れないらしく、どちらかというと、仕上げたら満足してしまうタイプのオーナー。このケンメリGT-Rは購入以来ずっと大切に乗り続けていて、自宅横に専用のガレージを建て、予備のパーツも十分にストック。現在64歳で、GT-Rライフを70歳まで楽しんだら、後は奥さまに譲るそうだ。

1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC110)


Specification 諸元
全長 4460mm
全幅 1695mm
全高 1380mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1395 / 1375mm
最低地上高 165mm
室内長 1790mm
室内幅 1340mm
室内高 1125mm
車両重量 1145kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力 tanθ0.46
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.906 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 55L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前後とも ディスク
タイヤ前後とも 175HR14
発売当時価格 163万円


初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

関連記事:GT-R伝説

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【1】【2】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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